2010年12月20日

日差しのメロディ


sb_466.jpg



紹介済みの Ron MooreEd Kilbourne 等の作品がリリースされた 「 Airborn Records 」 。レーベル関連の作品や人脈に出会うと聴きたくなるのが常だが、本作はケンタッキーの7人組(女性2男性5)フォークロックバンド 『 Aleithia 』。どういうカタチで制作に関わったのだろうか、スペシャルサンクスに Ron Moore の名前を見つけることができる。-- オリジナルが3曲、クリスチャンバンドということでCCM系コンポーザーのカヴァー ( Chuck Girard, Larry Norman )、エルトン・ジョンにレスリー・ダンカンの英国勢にジョン・デンバーの楽曲など、全12曲収録。リードVoはシェアしているが、女性陣がリードをとっているチャック・ジラード作の "Brand New Song (A-1)"にレスリー・ダンカン作の "Love Song (B-1)"、エルトン・ジョン作の"Friends (B-4)"。飛び切り上手い女性ヴォーカルとは言えないが、コーラスを交えて心地よく聴かせてくれる。その中でも一際光っているのが男性陣の 「 Matt Simpson 」 がリードをとっている Ron Moore 作の "First Person (A-2)" だろうか。キャッチーなメロディをもったミディアムテンポのフォークロックだが、リズムを刻む乾いたドラムスが心地いい素敵な楽曲に仕上がっている。オリジナルの1曲 "I Believe (A-3)" はメンバーの1人 「 Steve Wyatt 」 作のものでリードVoも自身がとっている。A・ギターの弾き語りにシンセを加えた演奏に、今にも壊れそうなヴォーカルのセンシティブさは楽曲の短さが残念と思えるほどの魅力的なフォークバラードである。こんな素敵な楽曲が書けるなら全てオリジナルで占めて欲しかったところだが、選曲を含めてバンドとしての纏まりが散漫な印象を受けるのはちょっと残念なところだろうか。-- この季節、こんなに心地いい日差しは望むべきもないがジャケット写真はケンタッキーの田舎で撮影されたのだろうか、陽光を浴びて佇む 「 Aleithia 」 のメンバーたち。彼等にとってデビュー作品だと思われるが2作目は制作されたのか、もっと彼等のオリジナルを聴きたいところである。---
posted by beck at 09:59| Comment(0) | 音楽(US) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月06日

早熟の冬


sb_465.jpg



1970年、ファーストシングル 「 She's My Kind of girl 」 ( 邦題:木枯らしの少女 )をヒットさせたスウェーデンのデュオ 「 ビヨルン&ベニー 」 のプロデュース。後にその2人と結婚し 「 ABBA 」 へと発展するアグネタ嬢とアンニ・フリード嬢のバッキング・コーラス。リリースはアバも所属していた "ポーラミュージック"。リリース当時、弱冠16歳だったスウェーデンのSSW 『 Ted Gerdestad 』 のデビュー作は、スウェーデンポッポスのアイドルとなるべき布陣で制作されている。-- 兄・ケネスの詩にテッドが曲をつける、全11曲オリジナル。" 小さな恋のメロディ" で日本でもお馴染みの英国俳優マーク・レスター似の甘い顔をしているが、まだ少年とは思えないほど完成されたコンポ力と歌声を披露している。英語で書かれた唯一の楽曲 "Beat It, Girl (B-5)" の熱いロックスピリット、母国語の "Sommarlangtan (A-2) " の穏やかなフォークスピリット。70年代初頭、世界のミュージックシーンはビートルズの影響を避けて通れないが、彼もご多分に漏れず楽曲のそこかしこにその影響を感じとれる。彼もきっとビートルズを熱心に聴いて育ったのだろう。 "Jag vill ha en egen mane (A-3) "、"Racker Jag Till (A-4)"、"Ett Stilla Regn (A-5)"、"Snurra Du Min Varld (B-1)"、"Hela Varlden Runt (B-3)"、"I Drom Och Fantasi (B-4)"。アバを代表とするスウェーデンポップスの王道をいくキャッチーな甘いメロディの楽曲が並んでいる。デビュー作をきっかけにトップアイドルへと駆けあがり、死後もなおスウェーデンの人々に愛され続けているのも頷ける完成度の高さである。アメリカに渡りLAのミュージシャン ( Jay Graydon, Lee Ritenour, Jeff Porcaro ) 等を起用した"Blue Virgin Isles" (1978) がAORファンには垂涎の作品のようだが、残念ながら未聴。後の彼の成功が約束された出発点であり、早熟過ぎた素敵なデビュー作品である。 -- うっすらと雪化粧した風景に佇む 「 Ted Gerdestad 」。70年代活躍していたスウェーデンの世界的テニス・プレイヤー "ビョルン・ボルグ" と並び称されるほど、将来を嘱望されたテニス・プレイヤーでもあったようだ。1997年6月22日、41歳という若さで自殺のため他界。一説には、変な宗教にはまり精神を病んだ為と言われているが、本当のところは本人でしか知る由もない。---
posted by beck at 10:10| Comment(0) | 音楽(SE) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月24日

コーヒーと音楽の日々


sb_464.jpg



あの "アーニー・グレアム" と同郷、60年代後期から活躍していた北アイルランドはベルファスト生まれのSSW 『 David McWilliams 』。アイルランドのドノバンと言うより、グラスルーツやマーク・アーモンド等がカヴァーしヒットさせた曲 "The Days of Pearly Spencer" 邦題(パーリー・スペンサーの日々)の作者として一般的には通りがいいのかも知れない。-- Major Minor → Dawn → EMI、3作品づつ残してレーベルを移籍しているが、個人的にはドーンからEMIへの移行期の英国的SSW然とした作風が好みだろうか。本作は、EMIでの2作目のもの。全てオリジナル、全12曲収録。どの楽曲もフックの効いた美しいメロディラインを持っており、アップテンポ&バラード問わず魅力的な歌声を聴かせてくれる。"Just Like Staregers (A-2)" や "I Will Rock You (A-4)"、"Lady Midnight (B-2)" など、美しいメロディにのせた力の抜けた穏やかなヴォーカルには心癒される。女性コーラス隊との掛け合いヴォーカルで聴かせるゴスペル風味の "Carry Me Home (A-6)" に "Sweetheart Of The Rodeo (B-6)"。ディラン・ライクなボーカルが聴ける "Fat Man (B-5)"。米国やメキシコ、イタリア音楽などの影響を受けた楽曲もあるが、そこにも英国的な気品ある叙情性が存在している。スライドGがいい味をだしている "You'll Be Mine Tonight (B-1)" などは、ディラン・ライクなヴォーカルも相まって米国南部のスワンプの薫りさえ感じてしまう。ちなみに、ドラムスを叩いているのは、あの "Dave Mattacks" というのも納得である。2002年1月、心臓発作で他界。享年56才。素朴でありながらポップ性も兼ね備えた極上のSSWの一人である。-- アイルランドと言えば、銀行が多額の不良債権を抱え信用不安を起こしている。また、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に財政支援を要請するなどの事態に陥っている。日本の隣国に目を移せば尖閣、北朝鮮と別の火種が燻っている。さすがの能天気な日本人もその危うさに気づき始めているようだ。---
posted by beck at 10:47| Comment(0) | 音楽(UK) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月14日

ワークソング


sb_463a.jpg



裏ジャケットには、ミシガン湖をゆく船上から撮られた一葉の写真が使われている。撮ったのは、本作の主人公 「 Danny 」 氏のファーストメイトの女性 「 Carol Jo 」 と 「 Dorothy 」。アルバムタイトルにもなっている表題曲 「 Michigan Highways (A-1) 」 は、ダニー氏のコンタクト先になっているナッシュビルから本作のリリース元 「 Western Night Productions 」 の所在地・ミシガンへの旅途中を歌ったものだろうか。それとも、同居していた女性の故郷があった州なのだろうか。素朴なメロディ、全編を漂うハーモニカの音色にのせたA・ギターの弾き語りは朴訥な声質とも相まって旅情を誘う素敵な歌に仕上がっている。-- 全10曲オリジナル、フィドル?にハーモニー、打楽器音など少しのサポートは受けているが全てA・ギターの弾き語り。" 湖上の砲艦" と題された "Gunboats On The Great Lake (A-2)"、仕事はハードでも実入りは少ないと嘆いている "Hard Work And Low Pay (A-5)"、"全ての老人の為に" と題された "For All The Old Men (B-2)"、大工さんを歌った "The Carpenter (B-3)"、曲名からも、重労働に日々汗する人々を歌った社会的メッセージの強い労働歌のようだ。sb_463b.jpg上流社会の女性を歌った "Superior Lady (A-4)" などは、無駄に贅沢三昧の生活をおくる女たちに下層階級目線の皮肉を込めた歌詞内容ではないかと想像している。ややトラッド色を感じさせるリズム重視の重く暗い楽曲もあるが、ブルースがそうであるように、下層階級の日々の不満や怒りを込めた労働歌とはそういうものだ。ダニー氏が歌を書く意味合でも込められているのだろうか、ラストを飾る "I Wrote A Song (B-5)" の美しいメロディにのせたA・ギターの引き語りには、オープニングの表題曲と共に魅せられ救われる。身の上の不遇や不満を歌っていても、心地良いメロディにのせた歌声に幸せな明日を迎えたいと願う希望の明るさを感じるからである。-- 「 Danny 」、楽曲名と僅かな情報があるだけで彼のフルネームすらクレジットはない。今も、アメリカのどこかで心の鬱積を歌にぶつけているのだろうか。
posted by beck at 09:31| Comment(0) | 音楽(US) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月01日

音楽の欠片


sb_462.jpg



コンガの刻む心地いいリズムにのせてビートルズの "And I Love Her (A-2)" を聴かせてくれるのはイリノイのクリスチャン系SSW 『 Jeff Grosser 』 。 「A Part Of Me -- 私の一部 -- 」 と題された作品には、フォーク・カントリー・スウィング・AORなど様々な音楽スタイルで表現された楽曲が収められている。セルフプロデュース、ジョン&ポールの1曲を除けば全てオリジナル、全10曲収録。自身の6&12 A・ギターにバンドスタイル ( Electric & Acoustic Guitar, Piano, Bass, Percussion, Saxophone, Flute, Banjo ) のサポートがつく。アルバム全体を貫くのはAORだが、A面はフォーク色、B面はAOR色が僅かに強いだろうか。爽やかなハーモニー入りのカントリーフォーク "I'm Coming Home (A-1)"、フルートとA・ギターだけで歌われる素敵なフォークバラード "Julie's Rainbow (A-3)"、ドラムスの刻むリズムだけで歌い始め途中から音の厚みを加えていく "Charlotte's Web (B-2)" のスウィング感などは最高である。A・ギターとピアノだけで歌っているバラード "Crazy Blue Eyes (B-4)" の静けさも心に響いてくる。バンジョー入りのカントリーソング "Chicago Girl (B-1)" だけは少々の違和感があるが、これも表題通り、様々なアメリカ音楽の影響を受けてきた彼の "私の一部" なのだろう。それでも、数多く存在する素敵なレリジャス系SSWの一人であることには間違いない。-- 録音にも参加しジャケットのロゴデザインを手がけている 「 David Van Delinder 」。シカゴのSSW 「 Bonnie Kolock 」 に楽曲を提供しているし、近年はデザイナーとして活動しながら 「 Candice Keenon 」 とのデュオ作品を残している。 「 Jeff Grosser 」 の確かな情報にはアクセス出来なかったが、彼は今もシカゴ界隈で音楽を続けているのだろうか。
posted by beck at 09:51| Comment(0) | 音楽(US) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。