2008年12月13日

目を閉じて見える歌


sb_349.jpg



長い間、ブラジル人SSWという情報しかなく愛聴してきた『Paul Bryan』。つい最近知ったのだが、ドイツでCD化(Sonar Kollektiv)されたとのこと。それを機に、彼についての情報も少しづつ紹介されるようになってきた。サンパウロ生まれ、本名「Sergio Sa」、生まれながらの盲目、耳だけを頼りにピアノを学び、「Tip Tape Records」とソングライター契約しリオデジャネイロへ、レコード会社より英語で歌うフォークアルバム制作を依頼される。その作品が、本作「Listen Of」にあたる。-- ブラジルのギリバート・オサリバン、その冠詞がピタリと嵌る表題曲"Listen (A-1)"。素朴なメロディにのせた中性的な歌声に口笛が弥が上にも哀愁感へと誘う。オーケストラを配したバラード、"Thais (A-3)"、"Window (A-5)"、"So Long (B-3)"、"Why To Blame (B-4)"、"Why she Goes Away (B-5)"など。個々の楽曲の確かな輪郭をもった美しいメロディたちは、聴く者を夢心地へと連れていってくれる。フルート&E・ピアノにコンガが軽快にリズムを刻む"Like A Rainy Night (A-2)"に"Feel Like I Feel (A-4)"、ソウルフルなヴォーカルを聴かせてくれる"Afraid Of All (B-2)"など。バラードの夢心地から開放してくれるパーカッシブな楽曲たちとのバランスも絶妙。「Harry Thompson」作に、彼との共作を含めたオリジナル全12曲収録。ポップでありながら素朴さをも兼ね備えた素敵な作品である。-- 「Paul Bryan」、一時期アメリカで暮らしていたことがあるという。盲目という同じ身の上でのことか、あの「Stevie Wonder」との交流があり楽曲を提供したこともあるようだ。また、「"Close Your Eyes to See Better"(よりよく見るには、目を閉じてください)」と題された著作本もある。目に見えるものしか信じない強欲者たちが招いたカオス状態の今の世界。詐欺師まがいの金融至上主義者たちには到底理解できない本だろう。---
posted by beck at 19:06| Comment(0) | 音楽(BR) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。