2010年12月06日

早熟の冬


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1970年、ファーストシングル 「 She's My Kind of girl 」 ( 邦題:木枯らしの少女 )をヒットさせたスウェーデンのデュオ 「 ビヨルン&ベニー 」 のプロデュース。後にその2人と結婚し 「 ABBA 」 へと発展するアグネタ嬢とアンニ・フリード嬢のバッキング・コーラス。リリースはアバも所属していた "ポーラミュージック"。リリース当時、弱冠16歳だったスウェーデンのSSW 『 Ted Gerdestad 』 のデビュー作は、スウェーデンポッポスのアイドルとなるべき布陣で制作されている。-- 兄・ケネスの詩にテッドが曲をつける、全11曲オリジナル。" 小さな恋のメロディ" で日本でもお馴染みの英国俳優マーク・レスター似の甘い顔をしているが、まだ少年とは思えないほど完成されたコンポ力と歌声を披露している。英語で書かれた唯一の楽曲 "Beat It, Girl (B-5)" の熱いロックスピリット、母国語の "Sommarlangtan (A-2) " の穏やかなフォークスピリット。70年代初頭、世界のミュージックシーンはビートルズの影響を避けて通れないが、彼もご多分に漏れず楽曲のそこかしこにその影響を感じとれる。彼もきっとビートルズを熱心に聴いて育ったのだろう。 "Jag vill ha en egen mane (A-3) "、"Racker Jag Till (A-4)"、"Ett Stilla Regn (A-5)"、"Snurra Du Min Varld (B-1)"、"Hela Varlden Runt (B-3)"、"I Drom Och Fantasi (B-4)"。アバを代表とするスウェーデンポップスの王道をいくキャッチーな甘いメロディの楽曲が並んでいる。デビュー作をきっかけにトップアイドルへと駆けあがり、死後もなおスウェーデンの人々に愛され続けているのも頷ける完成度の高さである。アメリカに渡りLAのミュージシャン ( Jay Graydon, Lee Ritenour, Jeff Porcaro ) 等を起用した"Blue Virgin Isles" (1978) がAORファンには垂涎の作品のようだが、残念ながら未聴。後の彼の成功が約束された出発点であり、早熟過ぎた素敵なデビュー作品である。 -- うっすらと雪化粧した風景に佇む 「 Ted Gerdestad 」。70年代活躍していたスウェーデンの世界的テニス・プレイヤー "ビョルン・ボルグ" と並び称されるほど、将来を嘱望されたテニス・プレイヤーでもあったようだ。1997年6月22日、41歳という若さで自殺のため他界。一説には、変な宗教にはまり精神を病んだ為と言われているが、本当のところは本人でしか知る由もない。---
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2010年05月23日

スウェーデンの森の歌


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見ているだけで清々しい気分にしてくれる新緑の中の3人組は、スウェーデンのクリスチャン系フォークトリオ 『 Lekebergstrion 』 の面々。Bengt Johansson ( A.Guitar, Mandolin, Banjo, Piano / Hans Johansson ( Bass ) / Soren Saterhagen ( A.Guitar, Banjo, Bongs ) に、フルートやフィドル、パーカッションなどのサポートが楽曲によりついている。オリジナル3曲、スウェーデン人コンポーザーのものが3曲、トム・パクストン作にトラッド4曲の全11曲収録。英語と母国のスウェーデン語が約半々の割合、ライナーは手書きの母国語なので判断しかねるところもあるが、概ね、これらの情報に間違いはないだろう。-- 時代的に、60〜70年代のアメリカン・フォークの影響を少なからず受けていると思われるゴスペル・フォークだが、ドラムス入りのオリジナル曲 "Stand Up (A-1)" のポップなキャチー感とリズムカルな軽快感には良い意味で期待を裏切ってくれる素敵な曲だ。ルイ・アームストロングやサム・クックも歌っているトラッド "Nobody Knows (A-3)" に、ジェームス・テイラーも歌っていたトラッド "Go Tell It on the Mountain (B-1)" も同じ心地良さを持っている曲。トラッド "Gud I Var Narhet (A-4)"、トム・パクストン作の "John The Baptist (B-3)"、フルート入りのアイリッシュフォーク風味なオリジナル "Han Var Sa Annorlunda (B-4)" など、アコースティック・ベースのコーラスワークを活かしたフォークサウンドが本来の彼等の姿だろう。そのコーラスの美しさが醸しだす心地良さに何故か懐かしさをを覚えるのは、この時代の音楽をリアルタイムで聴いて青春期を過ごした者でしか感じ得ない郷愁感なのかも知れない。フォーク〜スウィング・ジャズ〜ロックとリズムが揺れ動いていくトラッド "The Light From The Lighthouse (B-5)" の見事さは、本作の素晴らしさを締めくくるに相応しい素敵なエンディングである。-- メンバーの核だったと思われる 「 Bengt Johansson 」。パートタイムでの音楽生活は続けていたようだが、現在はバンドを従えフルタイムのプロ・ミュージシャンとして活動しているようだ。その歌声を 「 MySpace 」 で聴くことができる。---
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2008年01月04日

ファーストソング


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今年のファーストソングは、スウェーデンのクリスチャン系SSW『Ingewar Olsson』のデビュー作。彼も敬虔な宗教音楽家だったに違いないだろうが、英語と母国語で歌われる歌詞にジーザスやゴッドの言葉があることで辛うじてクリスチャン系と認識できる程度。音楽的には'60年代後期のアメリカやイギリスのポップロックやフォークロックのミュージシャンやバンドを神として崇拝していたのだろう、その影響が色濃い。ロックっぽくアレンジされた唯一のカヴァー曲、サイモン&ガーファンクルの"Mrs Robinson (A-1)"や典型的なロックンロールのコード展開"No Man Is An Island (A-6)"にそれが良く現れている。"San Som Jag (A-2)"や"Somebody's Knocking (A-3)"など、他の多くの楽曲も初期のビートルズや'60年代の英国ビード・ブームの音を踏襲しているもの。エレクトリックな4ピースバンドを基本としたビートロック・ゴスペル作品と言っていいだろう。-- 彼の公式サイトを見ると、デビュー後もコンスタントに作品を残しているようだ。その近作の音源を「MySpace」で聴くことができる。若かりし頃の面影はすっかりなくしているが、さらにポップロックしている歌声だけは若々しさを保っている。---

Ingewar Olsson Official Site
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2007年06月19日

マックロクロスケ


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普段、アコースティックな音ばかり聴いていると時たまゴソゴソと這いずり出てくるマックロクロスケたちがいる。ローラ・リー、ジェームス・カー、ソロモン・バーク、オーティス・レディング、スペンサー・ウィグス、言わずもがなのウィルソン・ピケット等の黒人勢である。日本で「Vivid Sounds」からサザンソウル物がリリースされ、そのディープな南部音の虜になってしまった時期があった。アメリカは種々雑多な人種の坩堝、移民の国である。それは、ブルース、フォーク、ブルーグラス、カントリー&ウェスタン、ゴスペル、ソウルなど音楽の坩堝でもあることを意味する。たとえ分類は出来たとしても音楽スタイルはどこかでリンクし、融合し発展していくものである。サザンソウルなどの黒人音楽が違和感もなくアメリカ音楽に馴れ親しんだ耳を虜にしてしまうのは至極当然なことなのだろう。白人では「Dan Penn」共に真っ先に名前が出てくるのがこのマッスルショールズのギタリスト「Eddie Hinton」。'78年、キャプリコーンのソロ・デビュー作に続く彼の2作目はスウェーデンのレーベル「Amalthea」からだった。録音は、アラバマのマスルショールズ(Pro: Jimmie Johnson & Eddie Hinton)とバードランド(Pro: John D. Wyker & Eddie Hinton)。バックには「Jimmie Johnson,Roger Hawkins,David Hood,Clayton Ivey・・」等の南部音オールスター・スタッフ陣。高音部ドンズマリの白いオーティス節だが、その絞る出すような歌声は白人のブルー・アイド・ソウルではなく黒人のソウル・フィーリングそのもの。彼の顔は白いが、彼の歌の魂は真っ黒である。CD−Rに落とす為に久し振りに針を落としたが、ジェーム・カーのサザン・ソウルも聴きたくなってきた。またぞろ、マックロクロスケたちが背後を動き回っているようだ。---

posted by beck at 10:49| Comment(0) | 音楽(SE) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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