2008年01月25日

クロージング・タイム


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確かに、同じ頃、夢は違っていたけれど、その夢を追い求め、挫折を繰り返しながら、不器用に生きている人が同じ東京の空の下にいた。一人は、フォーク・シンガーの道を諦め凡庸な生活も捨て、映画を撮る日を夢見てフランスに渡った。もう一人は、ある儚くも脆い夢を求めてアメリカに渡った。その頃、夢を実現させたいという切実さよりも臆病な勇気の無さの方が勝った、一年あまりで帰国。恋もし、家庭も持ち真っ当な仕事にもついた。でも、どこか仕事にも上の空。事あるごとに、その夢が再び頭をもたげてくる。それでも、一人は色んな「人生の辛苦」と引き換えに「映画」を撮るという夢を叶えた。もう一人は、その指先に夢の欠片の感触を感じながらも今だ志半ば。フォークシンガーを諦めた一人が"たそがれ時コカインの木の下で (B-2)"の中で歌っている -- 「夢からさめてみたら、夢からさめてみたら、君だけが一人、ボクから随分と遠く離れていた〜♪」 -- 人生の時間から夢の時間を引き算すれば、クロージング・タイムは迫っている。また、"最終列車 (A-5)"の中でこうも歌っている -- 「天国がおいらの住家、暖かいねぐらが待っている、この世にいる限り、働くかうろつきまわるしかないオイラ〜♪」-- もう一人が乗る最終列車の出発時間は迫っているが、この世にいる限り夢の近くを働くかうろつきまわるしか道はない。-- 今は脚本家で映画監督「小林政広」。フォークシンガー名『林 ヒロシ』の自主制作盤「とりわけ10月の風が」。夢の応援歌である。---
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2006年12月16日

どうも!どうも!


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1979年3月、全国8ケ所の小ホールで行われた「Geoff Muldaur & Amos Garrett」の2度目の日本公演。その最終日(1979年3月18日)となった「新宿ロフト」での模様を収めたライヴ盤。当時、新宿まで30分もあれば行けるところに住んでいたが聴きに行かなかった。いや、仕事か何かで行けなかったのかも知れない。観客の拍手に迎えられ「どうも!どうも!」の第一声で始まるライブ盤。ブルース・ナンバー"Fishing Blues (A-3)"やお馴染みの"Small Town Talk (A-5)"など全10曲を収録。最高の白人ブルース・シンガー「Geoff Muldaur」、名盤の陰に「Amos Garrett」あり。数々の賞賛の言葉で称される盟友コンビの奏でるサウンドは、長い時を経て熟成された豊潤なワインのごとき大人の音楽。日本でのライブらしく"Small Town Talk"では「東京」、"Lazy Bones (B-3)"では「アサヒビール」という言葉も聴こえてくる。近年、エリック・フォン・シュミットのイラストを使用した新装ジャケでCD化(ドリームズヴィル・レコード)されたが、ライブの一瞬を記録した写真使用のオリジナルが個人的には好きである。聴きに行けなかったが、彼等のライブの記憶はレコードというカタチで手元に残っている。---

Geoff Muldaur Official Site ◎ Amos Garrett Official Site
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2006年11月03日

永遠のアイドル。


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飯田雄一率いる「オレンジ・カウンティ・ブラザース」のセカンド。久保田真琴率いる「夕焼け楽団」の弟分バンド的な存在だったが、テックス・メックスやマリアッチにケイジャン臭さプンプンのご機嫌なテキサス・カントリーを聴かせてくれた彼等のほうが個人的には好みの音だった。ハワイからサンフランシスコに移して録音されたセカンドのプロデュースは一作目同様「久保田真琴」。その夕焼け楽団から「恩蔵隆」、ダン・ヒックス&ヒズ・ホットリックスから「マリアン・プライス」がゲスト参加している。ぎこぎこフィドル、ペダル・スティールにアコーディオン、飯田雄一の男っぽいダミ声ヴォーカル。彼等が敬愛する「ダク・サム」が歌詞中に登場するタイトル曲"Soap Creek Saloon"は永遠の愛聴曲。「オイラの可愛いリンダ〜」なんてダサイ歌詞を陽気にケイジャンする彼等が大好きである。過去、何度も何度も繰り返し聴いてきた作品だが「ご機嫌」という言葉がこれほど似合う日本のバンドは知らない。この作品から参加しているギターの「中尾淳乙」の奥方が手がけたジャケ・イラスト(ダク・サムのウォンテッドの張り紙が)からも彼等の目指した音楽の匂いがプンプンと漂ってくる。横浜でバンド名と同じライブハウスを経営する傍ら、今も時折元気な姿を見せてくれる彼等。もしも今、「ビッグネームのバンドと彼等のライブのどっち行きたい?」と聞かれたら迷わず彼等のほうを選ぶ。---


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2006年06月30日

音の波にゆ〜らり。



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毎年のことだが、夏が近づきムシムシし汗ばむ季節になるとこのアルバムを聴きたくなる。「久保田真琴と夕焼け楽団」のギタリスト「井上ケン一」のソロ (CD化済み/VIVID)。録音は夕焼楽団も使っていたハワイ・ホノルルのサウンズ・オブ・ハワイ・スタジオ。プロデュースは勿論の久保田真琴。バックには夕焼け楽団にオレンジ・カウンティ・ブラザーズの面々、プラス地元のミュージシャン。ラグタイムのインスト"A列車のラグ (A-1)"、「エノケン」こと喜劇王・榎本健一が歌ってお馴染みの"ダイナ (A-2)"、ディキシー久保田節炸裂の"心の悩み (A-3)"、「P・マッカートニー」作"ハニーパイ (A-5)"の日本語バージョンなど全10曲、暑さもアッチ行けの南国楽園ムードいっぱい清涼感満点サウンドである。彼のヴォーカルは久保田ほどうまくはない。しかし、力を抜きゆった〜りとリラックスしたヴォーカルだからこその清涼感。そのユッタリ感が聴く者の気持ちを弛緩させ全身の毛穴を総開きにしてくれる。今こうして聴いていても、日本からうまれた名盤と呼ぶに相応しい作品の一枚だと思う。最近、「Tony」や「Richard Natto」などハワイのSSWの作品が注目されているようですが、70年代ハワイにドップリ浸かっていた日本人ミュージシャン「久保田真琴一派」の作品もぜひ注目して欲しいものである。25年振りのセカンド「ボヤージ・トゥ・パラダ」もリリースされ海の幸サウンドを再び満喫できます。---



posted by beck at 23:00| Comment(0) | 音楽(JP) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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