2010年06月22日

人を結ぶ歌


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カナダの総勢18人の若者たちからなるクリスチャン系コーラス隊 『 Just Us 』 。ノバスコシア州の州都ハリファックスにある教会 「 Pine Hill Chapel 」 で録音された本作には耳に馴染んだ楽曲が収録されている。-- ヤングブラッズでお馴染みの "Get Together (A-1)"、サイモン&ガーファンクルのヒット曲 "El Condor Pasa (A-2)"、ボブ・ディランの "I Shall Be Released (B-1)"、ビートルズの "Eleanor Rigby (B-2)"、CS&Nの "Teach Your Children (B-4)" など。CCM系の作品には良く採り上げられている楽曲だが、大所帯のコーラス隊で聴かせるのは珍しく馴染みの曲が別の趣をもって心に響いてくる。ペーストオンされたジャケットには、「 Just Us 」 の成り立ちや音楽スタイルについての紹介がある。それによると、身近なポピュラーソングを通じて教会や宗教の啓蒙活動をする 「 Services Of Contemporary Workship 」 に所属していた若者たちのようで、彼等の音楽スタイルについて "Folk Music, Folk Rock, Popular and Country Music" と紹介している。メンバーの中に、ロックでもやりそうな風体の男5人がいるが彼等が演奏を担当していたのだろうか。荒削りなその演奏にのせ、好きな歌だけを仲間みんなで歌い楽しんでいる録音風景が目に浮かぶ。個人的には、CCM系作品にある大所帯のコーラスものは敬遠しがち。それでも、彼等のコーラスに軽快な心地良さを感じるのは、耳に馴染んだ楽曲の多さと、ポピュラーソングを歌う若者たちの楽し気な気分がその音楽に感じ取れるからだろう。-- "ハリファックス" と言えば、すぐに結びつく言葉が大爆発。1917年12月6日、ハリファックス港で大量の軍用火薬を積んだ貨物船同士が衝突し大爆発。その爆風で市の大半が消失し数多くの死者をだした世界最大級の爆発事故である。「 Just Us 」 の若者たちの先祖の中にも、この悲惨な事故に遭遇した肉親がいるのかも知れない。---
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2010年01月31日

ハンス&ジョン


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カナダのスワンパーで知られている代表格と言えば 「 The Hans Staymer Band 」。眼鏡をかけたハンス氏の風貌からは想像もつかせぬ剛球一本やりのスワンプロックを奏でる人だが、本作の 「 John Lyle 」 の場合は、フォーク・ブルース・カントリーなどの変化球を交えて聴かせるスワンパーだ。-- バンクーバー界隈で活動していたカナディアンSSW 「 John Lyle 」 の2作目。オリジナル全13曲収録、今も行動を共にしているギタリスト 「 John Murray 」 に、楽曲によってベース・ドラムスやコーラスなどのシンプルなバックがついている。カントリーロック風味の "The Plot Widens (A-4)""Close Your Eyes (A-7)"。キャッチーなメロのフォーキーソング "Wonderin' (A-2)""My Cold Is Gone (B-6)"。ブルージーなフォークブルース "The Woo Woo Into Town (A-5)""Water Works (B-5)"。スワンプでもない楽曲にスワンプ魂を感じるのは、ハンス氏にも共通するライル氏のパワフルな声質のせいだろう。スライドG入りの "Blue Rictures (B-3)""Gunfight At The Occult Corral (A-3)" は直球のスワンプだが、バックがシンプルなだけにその心地良さは格別だ。- There's lots of nice stuff on there ! - 英国のロッカー 「 Paul Rodgers 」 ( ex; Free, Bad Company ) が推奨するのも頷ける素晴らしい資質をもったSSW作品だと思う。-- これまで "8作品" 残している「 John Lyle 」。今現在、太平洋に面するブリティッシュ・コロンビア州で現役活動しているようだ。歳を重ね、エネルギッシュなヴォーカルの荒々しさは失っているが、近作の歌声は "MySpace" で聴くことができる。---
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2009年12月19日

ロードサイド・ソング


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12月としては何十年か振りの大雪。狭い路地の両脇は除雪された雪の塊で占領され、対向車とのすれ違いも間々ならないほど。突然の大雪に除雪車も手がまわらないようで、ノロノロ走るクルマにスリップ事故も重なり朝の交通網は完全に麻痺状態。北国の住人たちも、さすがに12月の大雪には戸惑っているようだ。-- カナダのクリスチャン系フォークロックバンド 『 The Revised Version 』。2組の兄弟にドラムスを加えた5人編成 [ Carl Teeple ( Organ, Vocals ) / Brian Field ( Bass, Vocals ) / Carol Field ( Piano ) / Tim Marsh ( Drums, Vocals ) / Mark Teeple ( Guitar, Vocals ) ] のバンドだが、英国のフォークバンド 「 Heron 」 を思わせる木漏れ日フォークを長閑に奏でている。リリース年は不明('70年だろう)、録音はナッシュビル。オリジナルに、クリスチャン系SSW ( Judy MacKenzie / Andrae Crouch / Bill Gaither ) 等のカバー曲を加えた全10曲を収録。美しいコーラスワークを活かしたバンドの特徴は、" You Should Have Come Sooner (A-2) " や " Two Hands (B-2) " によく表現されている。後者は、CCM系のSSW 「 Chuck Girard / Phil Keaggy 」 が在籍していたバンド 「 Love Song 」 の曲で、A・ギターにハーモニーだけで聴かせる美しいバラードはオリジナルを忠実に再演しているものの、もっと素朴な印象を受ける心地良さだ。オリジナルの表題曲 "Roadside (A-1)" や "The Certainty (A-4)" など、総じてどこか頼りなさげでチープなヴォーカル&バンドサウンドなのだが、その頼りなさげが聴くものを長閑な気分にしてくれる所以だろうか。窓外は身も凍る寒さだが、彼等の音楽を聴いている間だけは穏やかで心地いい春先の暖かさを一足先に味合わせてくれる。-- 大雪も去ったのか、束の間の日差しを太陽が届けてくれている。この暖かさがロードサイドを占領している雪塊を溶かしてくれるといいのだが。---
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2009年11月21日

寒雨の歌


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ここ数日、強い風を伴った鬱陶しい雨の日が続いている。朝夕のストーブは2週間前ほどから欠かせない状態で、一雨ごとにその寒さを増してきているようだ。季節の変わり目に敏感な外猫たちが、外出から戻った車のエンジンの暖かさを求めてボンネット上を今日も占領していた。-- 50年代半ばから活動しているカナダのフレンチ・ホルン奏者 『 Davis Amram 』。ジャズとクラシックの領域を行ったり来たりしている人だが、本作ではSSWの世界に寄り道し素敵な歌声を聴かせてくれている。スタジオ録音に、オンタリオにある大学 「 Seneca College 」 内の 「 Minkler Auditorium 」 でのライブ音源をプラスした全10曲を収録。ジャズ畑の人がSSWの世界に足を踏み入れると奇跡的な一瞬を見せてくれることがあるのだが、表題曲の "Summer Nights, Winter Rain (A-1)" などは正しくその一例だろう。ピアノの優しい調べに導かれ、メロディライン上を漂う弛緩気味のヴォーカルは冷めた心を温めながら降り注ぐ音符の雨のよう、聴き惚れるほど素敵な歌である。カナダのSSW 「 Shirley Eikhard 」 嬢のバッキングVo が入った "Deep South Evening Light (B-2)" に "The Mountain Song (B-3)" も同質の心地良さを味わえる美しいジャズバラード。ブルーグラス調の "Little Momma (A-2)" に "Alfred The Hog (B-5)"。カンターカルチャーを代表する吟遊詩人 「 Jack Kerouac / Allen Ginsberg 」 の詩にスウィング調の曲をつけた"Pull My Daisy (B-4)"。 アフリカンしている "Song For Kenya (A-4)"など、オーディアンスがコーラス隊化している会場の一体感もライブの和やかな雰囲気を良く伝えている。A・ギターを抱えたSSW然としたジャケット意匠が、SSWの世界に足を踏み入れた「 Davis Amram 」 の音楽を良く伝えている。-- 今日も雨模様、温度を下げるごとにその雨粒はやがて白い雪に姿を変えていくだろう。その日は、もう近いようだ。---
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2009年08月10日

涼歌


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6年前にエアコンが壊れて以来、冷気なしの蒸し暑い夏を過ごしている。そんな便利なものがなかった時代には、風鈴や簾や打ち水など、人は涼を求める工夫してきたのが極当たり前の生活だったし、季節の変化を肌で感じながら生活していくことは身体にとっても自然なことなんだろう。こんな季節、音楽で涼を求めるとするなら、涼し気な空気を運んでくれる美しい歌声が最適だろうか。 -- カナダはバンクーバーのクリスチャン系フォーキー 『Sister Monica Kaufer』。出身は米・シアトル、"Cenacle Sisters" という宗教団体との出会いがカナダで暮らすきっかけになったようだ。その団体からリリースされている本作。リリース年は不明だが、同団体の "スタッフ・プロフィール" から推察すると'70年代初頭だろか。"Sebastian Temple / Tom Parker / Barbara Pires / Sister Germaine" 等、クリスチャン系SSWのカヴァー曲だけ、全13曲を収録。全編、A・ギターの弾き語りによる美しい歌声を聴かせてくれる。彼女の声質は、線の細いソプラノではなく、やや線の太いメゾソプラノ気味のもの。楽曲によっては語りやセルフ・ユニゾンさせたものもあるが、どの楽曲も心を落ち着かせてくれる沈静効果のある美しさに満ちている。唯一、冷気を味わえる車中で聴く彼女の涼しげな歌声は、冷房効果を倍増してくれる心地良さである。-- 「Sister Monica Kaufer」、暫くカナダを離れ本国のバークレーで暮らした後に、またカナダへ戻っている。今現在も同団体のスタッフを務めながら、"音楽" も続けているようだ。---
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