2010年11月24日

コーヒーと音楽の日々


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あの "アーニー・グレアム" と同郷、60年代後期から活躍していた北アイルランドはベルファスト生まれのSSW 『 David McWilliams 』。アイルランドのドノバンと言うより、グラスルーツやマーク・アーモンド等がカヴァーしヒットさせた曲 "The Days of Pearly Spencer" 邦題(パーリー・スペンサーの日々)の作者として一般的には通りがいいのかも知れない。-- Major Minor → Dawn → EMI、3作品づつ残してレーベルを移籍しているが、個人的にはドーンからEMIへの移行期の英国的SSW然とした作風が好みだろうか。本作は、EMIでの2作目のもの。全てオリジナル、全12曲収録。どの楽曲もフックの効いた美しいメロディラインを持っており、アップテンポ&バラード問わず魅力的な歌声を聴かせてくれる。"Just Like Staregers (A-2)" や "I Will Rock You (A-4)"、"Lady Midnight (B-2)" など、美しいメロディにのせた力の抜けた穏やかなヴォーカルには心癒される。女性コーラス隊との掛け合いヴォーカルで聴かせるゴスペル風味の "Carry Me Home (A-6)" に "Sweetheart Of The Rodeo (B-6)"。ディラン・ライクなボーカルが聴ける "Fat Man (B-5)"。米国やメキシコ、イタリア音楽などの影響を受けた楽曲もあるが、そこにも英国的な気品ある叙情性が存在している。スライドGがいい味をだしている "You'll Be Mine Tonight (B-1)" などは、ディラン・ライクなヴォーカルも相まって米国南部のスワンプの薫りさえ感じてしまう。ちなみに、ドラムスを叩いているのは、あの "Dave Mattacks" というのも納得である。2002年1月、心臓発作で他界。享年56才。素朴でありながらポップ性も兼ね備えた極上のSSWの一人である。-- アイルランドと言えば、銀行が多額の不良債権を抱え信用不安を起こしている。また、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に財政支援を要請するなどの事態に陥っている。日本の隣国に目を移せば尖閣、北朝鮮と別の火種が燻っている。さすがの能天気な日本人もその危うさに気づき始めているようだ。---
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2010年03月06日

面影ソング


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紹介済みの英国のSSW 「 Ken Scott 」 と同じレーベル "Profile" で同じ年にリリースされたクリスチャン系SSW 『 Allan Shiers 』 のデビュー作。レコード番号からすると、ケン氏の作品より本作のほうが先のようだ。 バンドスタイルのバック陣には共通する面子の顔が見えるが、両作品のプロデュースを手がけている 「 Bob Smithson 」 が立ち上げたレーベルなのかも知れない。-- 全14曲オリジナル、2分にも満たないものが8曲、2分台が4曲、3分を超えるものは僅か2曲だけ。ハーモニカ入りのディラン・スタイルで聴かせる "School Day (A-1)"、"Busking Song (A-7)"、"Mary Said To Joe (B-2)"、間奏に口笛が入るアップテンポなフォークロック "Simon And Andrew (B-4)"などは、フォーキーSSWらしいところ。しかし、アラン氏を魅力的にしているところはキャッチーなメロディにのせた甘い歌声だろう。ストリングスを配した "Looking Out My Window (A-2)" に "Maybe You're Not Sure (B-7)"、表題曲の "The Man In Me (A-2)"、管楽器の切ない音色が哀愁へ誘う "Good On The Sally Army (B-2)"、A・ギターの弾き語りに淡いバックのついた "Family (B-6)"。これらの楽曲が醸しだすノスタルジックさは、まるでギルバート・オサリバンがフォーキーを演じているかのような心地いい趣を持っている。短い楽曲が多いながらも、ショート・ストーリーのエッセイを読んでいるようで、少しも物足りなさを感じさせることのない素敵な作品である。-- 「 Allan Shiers 」 には、'80年にもう一作品 "Lamplighter" 残している。本作から数年を経て、彼の音楽がどう変化しているのか気になるところである。---
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2009年09月28日

遠い時代の歌


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北アイルランドのクリスチャン系SSW 『Rodney Cordner』、リリース年は不明だが、多分'70年代、彼のデビュー作ではないかと思われる。UK産のCCM系作品も少しづつ聴いているが、以前紹介した 「 Len Magee / John Pantry / Garth Hewitt 」 等と同様に良質のポップロック作品に仕上がっている。-- オリジナル、全12曲を収録。自身の( Vocal, Guitar, Bass, Mandoline, Autoharp ) にバンドスタイル ( Bass, Drums, Keyboards, Backing vocals ) のシンプルなサポートがついている。ウ〜シャララララ〜♪、オールディーズを思わせるコーラスが心地いいポップロック "Turn To Jesuas (A-1) で幕開け。A・ギターを基調にしたバラード "Forest Song (A-2)"、E・ギターとタイトなドラムスの刻むリズムが心地いい "Take My Hand (A-4)" に "Samaritan (B-6)、典型的なフレーズ満載のR&Rナンバー "A Brand New Song (A-6)"、長閑なカントリーテイストの "Hill And A Tree (B-1)"、A・ギターの弾き語りにバックの音の厚みを加えていくミディアムテンポのバラード "Wonder Where I'll Be (B-4)"、ピアノ調べにのせたバラード "There Is A Place (B-5)"。どこか古臭くて垢抜けないサウンドが全体を支配しているが、なんと懐かしくて暖かい心持ちにしてくれる歌たちだろうか。技術的なフィルターを通さない生身サウンドにのせた霞がかった歌声は、遠い時代の向こう側から歌いかけているようだ。彼のソロ作はもう1作品あるのだが、まだ出会えていない。出会える運があるのなら、ぜひ聴いてみたい人である。-- 「Rodney Cordner」、今は北アイルランドのベルファスト在。'80年初頭からフランス人フィドラーと組んだフォークデュオ 「Rodney Cordner and Jean-Pierre Rudolph」として、アイリッシュ・フォークのフィールドで活動を続けていようだ。近年の歌声は "MySpace" で聴くことができる。---
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2009年08月17日

64年目の記憶


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今年の1月のロンドン、英国のクリスチャン系SSW 『Garth Hewitt』 はパレスチナ・ガザ地区の平和を訴える "デモ" の先頭にたっていた。また、"From The Broken Heart Of Gaza" や "The Wall must fall" など、パレスチナをテーマにした楽曲をつくり歌っている。彼がディレクターを務めている人権支援団体 「Amos Trust」 の活動の一環だろう。-- '70年代初頭から今現在まで、数多くの作品をリリースしているガース氏だが、本作を含め初期3作品は南部の薫り漂うスワンプ・サウンドに仕上げっている。ゴスペル・ロック・カントリー・フォークなどが混在した音楽的立ち位置は、声質は違うがドン・ニックスと重なるところが多分にあり、その手のサウンド好きには魅力的に感じるだろう。女性コーラス隊を配した "Let Them See The Light (A-1)" に "Man In Chains (B-1)" などはメロウスワンプの心地良さを味わえるものだが、残念ながら参加ミュージシャン名を記していない。そのアーシーな硬質サウンドから推察すると初期作品に名を連ねていた "Bryn Haworth / Dave Mattacks / Gordon Haskell" あたりが務めているのだろうか。そんな楽曲に挟まれるようにA・ギターの弾き語り曲 "Brief Canqle (B-2)" など静かな楽曲が収録されており、アルバムと通しての硬軟バランスもいい感じの素敵な作品に仕上がっている。'80年代以降のガース氏の作品は未聴だが、冒頭に記した近作を "YouTub" で聴く限りはスワンプ色の強い南部サウンドは初期作品だけが持っているもののようだ。特にガース氏の1作目となる本作は、とりわけ、その色が鮮明である。-- 歴史に学ぶことは、"過去と現在の対話" だと人は言う。日本では64回目の終戦記念日を向かえ1億総懺悔は今も続いているが、これも長年に渡る自虐教育の結果だろう。金儲けの為に戦争動機を目論む輩もいる、世界の平和を祈りさえすれば平和が訪れるなどと考えるのは短絡的過ぎる。リスクを背負ったところに束の間の平和がリターンできるのが現実の世界である。水と平和は、けっしてタダではない。---
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2009年08月01日

許されない愛の歌


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ダン・ペンとチップス・モーマンが書いた "The Dark End Of The Street"。多くの人にカヴァーされている名曲だが、個人的に、この曲を歌っている人で真っ先に名前を思い出すのがサザン・ソウルの 「James Carr」 に 「Ry Cooder」 だろうか。-- 英国のクリスチャン系ロックバンド 『The Mighty Flyers』。米国人を含む4人編成のバンドだが、彼等もこの曲をカヴァー(B-2) している。同じ楽曲でもカヴァーする人で歌の表情は違ってくるのだが、このバンドは 「The Band」 のノリで表現している。メンバーの誰が米国人なのか判別出来ないが、アメリカ南部音楽の影響を少なからず受けているようだ。ライ・クーダーがデビュー作 ('70年) で歌っていたアルフレッド・リード作 "How Can A Poor Man Stand Such Times And Live (A-2)" や、オリジナル曲 "Fire To Behold (B-1)" など。タイトなドラムスの刻むリズムにのせた歌たちはザ・バンドを聴いているかのような心持ちにしてくれるものだ。アコーディオンにヴァイオリン入りのバラード "Toward The Light (A-4)" にカントリータッチの "The Peachhers Song (A-3)" 、"Leave It There (B-3)"。リードVoとコーラスの掛け合いソング "Blood For Blood (A-5)"。ラストを飾るブルース調のR&Rナンバー "Denomination Blues (B-5)" 。この楽曲もライ・クーダーでお馴染みのものだが、ライブ会場の雰囲気を醸しだすサウンド・エフェクトの熱い演出が施されている。ザ・バンドやその系統の南部サウンドが好みなら、全曲、心地よく聴けるだろう。-- 全10曲(オリジナル6+カヴァー4)を収録。プロデュースは、英国のロックバンド "ストローブス" のオリジナルメンバーだった 「Tony Hooper」。ジェスロ・タルの初代ギタリスト 「Mick Abrahams( Guitar, Dobro )」 がほとんどの楽曲に録音参加している。--
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