2010年09月27日

秋の夜長のマージ


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カリフォルニアのクリスチャン系SSW 『 Marj Snyder 』 を紹介するのは、「 Let The Son Shine 」「 Content In You 」 に続き、これで3作目になる。-- 定番のトラッド "Amazing Grace (B-8)" を無伴奏で歌っている以外は、A・ギターの弾き語りが中心。耳元で囁きかけるような彼女の呟きヴォイスは魅力的なものだが、遺憾なくその魅力が発揮されている曲がA面に多く収録されているA・ギターの弾き語りになる。ベースのサポート入りの"Victorious Warrrior (A-1)"、コンガのリズムにのせた表題曲 "My Lifetime Now (A-2)"、A・ギターの弾き語り "You (A-3)" に "Peace (A-6)"、当時交友のあったSSW 「 John Fischer 」 の助演を受けた "High On The Love Jesus (A-4)" に "Lord Of Glory (A-5)"。勿論、B面にも "So Much More (B-2)"、"Chicago (B-3)"、"For Those Tears I Died (B-6)" などA・ギターの弾き語りがあるが、曲そのものが短くじっくり味わうところまでいかないのは残念なところだろうか。バンドスタイルのバックがついた "I'm Dying (B-1)"、ペダル・スティール入りの愛らしいメロのカントリーソング "Knees Knockin' (B-5)" なども心地いいものだが、やはりA・ギターの弾き語り曲が耳に残ってしまうのは仕方がない。出来れば、全編A・ギターの弾き語りで埋め尽くされた暖かな歌声を聴きたいところ。それでも、過去4作品を聴いたことのある方なら彼女の作品の中で一番の出来だと思うのに異論はないだろう。-- 「 Marj Snyder 」 の前を彩る黄色い花をつけた植物の名前は何というのだろう。ジャケット写真が撮られた季節は春だったのだろうか。こちらは、酷暑も遠くへ去りすっかり秋の気配。過ごしやすい季節に、彼女の暖かな歌声は良く似合っている。---
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2010年09月20日

秋の虫楽団


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エアコンなしには今年の夏の暑さはさすがに厳しく、ターンテーブルにレコードがのる機会もなく音なしの生活を強いられた。9月も終わりに近づき、さすがの暑さも去り朝夕の空気にはすっかり秋の気配が漂ってきた。半袖では肌寒さを感じるほどの犬と歩くいつもの散歩道、空き地を覆う草むらからは秋の虫たちの賑やかな合唱が聞こえてくる。-- 紹介済みの 「 Sonfolk 」 と同名、こちらは20数名からなるアイオワのクリスチャン系フォークグループ 「 Sonfolk 」。ジャケットに描かれているバスに乗って一緒に旅し、各地で聖歌隊のゴスペル音楽(クワイア)を披露していたユースグループのようだ。A面は、男性のソロ中心にコーラスをプラスしたもの。B面は、2曲を除きコーラスものが主。全12曲収録、オリジナルにカヴァーものを織り交ぜながら心地いいコーラスを聴かせてくれる。特に、男性陣がソロをとっている "Jesus Is The Answer (A-1)"、"Come Brother And Sister (A-2)"、"Have You Seen My Jesus (A-3)"、All He Wants Is You (A-6)"、"The Man (B-1)"。唯一、女性がソロをとっている "If That Isn't Love (B-6)" などはコーラスものを敬遠しがちな耳にもすんなりと聴ける仕上がりだ。奇しくもミネソタの同名グループ 「 Sonfolk 」も故「 Larry Norman 」 作 "I Wish We'd All Been Ready (A-4)" を採り上げていたが、アイオワの 「 Sonfolk 」 も同じ曲をやっているのは単なる偶然だろうか。こちらの 「 Sonfolk 」 は美しいメロディの同曲を美しいコーラスで聴かせてくれる。採り上げる曲の美しさ次第だろうが、この曲を聴いているとコーラスものも悪くはないなと思ったりするから不思議なものである。-- 彼等にはもう2作品が別にあり、未聴だがすでに手元にある。秋の虫たちの合唱を聴きながら 「 Sonfolk 」 の美しいコーラスを聴いてみるのも一計。短くも過ごしやすい一瞬の季節、ターンテーブルにレコードがのる機会も多くなりそうだ。---
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2010年09月01日

無粋な夏


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お盆を過ぎれば夏の暑さと戯れていた人々の喧騒も静まり、夜吹く涼しい風に秋の気配を感じるのが例年のこと。それが未だに猛暑の夏を引き摺っていて一向収まる気配がない。海岸線に平行して走る車窓から見る風景は、いつもの夏なら人気の消えた寂しい浜辺のはずなのに、夏の余韻を楽しむ多くの人々の姿が見える。暦通りに季節が推移する変化のない定番の日常は退屈でもあるが、四季折々の変化こそが日本の美しい原風景であり、人生に折り目をつけるいい機会のはずなのだが。-- イリノイのアフリカ系アメリカ人SSW 『 Sonnie Burton 』、酒もクスリもやらない品行方正なジミヘンみたいな風貌に見えるのはクリスチャンだからだろうか。オルジナル3曲、「 Dennis Lambert and Brian Potter 」 作の反戦歌 "One Tin Soldier (B-4)"、CCM系コンポーザー 「 Bill Gaither / Andrae Crouch 」 作の"He Touched Me (A-3)" に "The Blood Will Never Lose Its Power (B-5)" 、ゴスペルの定番 "Amazing Grace (A-4)" などを加えた12曲収録。全編、A・ギターとピアノの弾き語り。よく通る線の細い声質からはブラックのイメージは少なく、白人フォーキーのような印象を受ける。彼もCCM系が好んで採り上げる定番中の定番曲キャロル・キングの "You've Got A Friend (A-1)" を奏っている。名曲のオリジナルを凌駕するのは難しいところだが、もし超えるとすると単純に歌う人の声質だったりもする。黒人独特の深みのある線の太い声質ではない彼の歌う名曲は、凡庸な仕上がり。むしろ、"Passing By (B-1)" や "An Answer (B-2)" などのオリジナル曲で聴ける心地良さが名曲よりも印象に残るし、心に響いてくる。この辺りは名曲を採り上げるデメリットだが、多くのCCM系ミュージシャンがこの名曲を歌う意味は、彼等にとって"フレンド"という言葉が宗教活動には欠かせない重要なキーワードだということだろう。-- そう言えば、鳴き始めていい頃の秋の虫たちの声が一向に聞こえてこない。彼等も今年の夏の異常さを察しているのだろうか。予報では当分この暑さは続くと伝えているが、いずれ収まるにしても今年は短い一瞬の秋になりそうだ。秋を通り越し、夏から一気に冬へなんて無粋な事だけは願い下げである。---

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2010年08月15日

夕焼け楽団


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近くの海から吹く潮風にのって音楽の波動が微かに聴こえてくる。日本海に沈む夕日を眺めながらコンサートを楽しもうというコンセプトの毎夏恒例の音楽イベントが開催されている。今年も有名ミュージシャン等が顔を揃え、5万人を超える動員があったようだ。この音楽イベントに続く花火大会が終われば、お盆。いつもの夏に比べ、今年の夏の暑さは尋常なものではなかったが、お盆を過ぎればその暑さも少し落ち着いてくれるだろう。-- 夕日の浜辺に佇む4人組(女性1人含む)はミシガンのクリスチャン系フォークロックバンド 『 The Salt And Light Co. 』 の面々。彼等も、夕日という情景が良く似合う爽やかな音楽を奏でている。全11曲オリジナル。美しいメロディにのせCSN&Y風コーラス入りの "For You And Me (A-2)"、"A Love Song (A-4)"、"Lay Your Burden Down (B-2)"。アップテンポでスウィンギーな "For You And Me (A-2)"。ファンキーにロックしている "Good Purpose (B-1)"。バンジョー入りのカントリーテイストな "Sing Your Praises (A-5)" に "Leave Hy Troubles (B-6)"。間奏に朗読が入るバラード "To Know You (B-4)"。男性陣がリードVoをシェアしているが、このバンドの魅力は楽曲の出来もさることながら、やはり美しいハーモニーの心地良さだろうか。A・ギターを基調にしたフォークバラードの心地良さは、夕日を眺めながら聴けばもっと格別なものだろう。-- 「 The Salt And Light Co. 」、裏ジャケにはプラス3名の顔写真入りクレジットがある。サポートなのか正式メンバーなのかは不明。お盆恒例の墓参りのロングドライブの行き帰りには、彼等7人の爽やかな歌声がお供してくれた。---
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2010年08月08日

真夏のミッション


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イリノイ州の 「 Scott House 」 からリリースされたクリスチャン系SSW 『 Larry Reineck 』 。アルバムタイトルの 「 Mission ( ミッション ) 」 は任務や使命・作戦を意味する言葉だが、元来はキリスト教布教のための伝道 ( 団体 ) を意味する。このことからも、宗教色の強いゴスペル音楽だということは聴かずと想像できる。-- Larry Reineck ( Lead Vo, Guitar, Piano, Flute, Cello, Harpsichord )、僅かに助演は受けているが全て自身の演奏によるもの。A面は3曲だけ、"メッセージ1"と題されたB面には7曲、全てオリジナルが収録されている。多くの楽曲に「 St.Patricks Parish Center 」 で録音された10名からなる聖歌隊のコーラスがついているのは、以前紹介した 「 Bob Hurd / Ron Griffen / Jim Strathdee 」 と同じ音楽スタイル。違うところは、Larry氏が紛れもなく本作の主役であり、聖歌隊の存在はLarry氏の歌を彩る為のものだというところ。特に、5分前後の楽曲が収録されたA面。"St. Francis Prayer (A-1)"、"Through Mary's Eyes (A-2)"、"Christ Is (A-3)" の3曲には、聖歌隊のコーラスが曲調を盛り上げるストリングスのように効果的に配置されている。崩しのない端正なジェントル・ヴォイスのLarry氏だが、A・ギターやピアノの弾き語りで歌われるゴスペルフォークのバラードたちはSSW作品としての心地良さが十分に味わえるものだ。これも、本作の主役である 「 Larry Reineck 」 のバイプレーヤーに聖歌隊の存在が徹しているからだろう。-- フルートで録音参加し、素敵なジャケット写真も手がけている 「 Sharon Reineck 」 は彼の奥さんだろうか。また、聖歌隊の中に名前がある「 Brenda Reineck 」 は娘さんだろうか。彼等一家が通っていたのはカトリック系の聖パトリック教会。宗教無縁者には行く機会など一生ないだろうが、敬虔な祈りと荘厳な教会に流れるゴスペル音楽が日々の疲れた心を癒してくれるだろうことは理解できる。「 Larry Reineck 」 の音楽に込められたメッセージは、そこにあるのだろう。---
posted by beck at 10:54| Comment(0) | 音楽(US) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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