2009年02月23日

ポールひとり


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ポール兄弟(Paul Nulton / Paul Fleeman)によるクリスチャン系フォーク・デュオ「Two Pauls」。彼らは、'60年代後期に2作品をリリースしているのだが、本作はデュオの片割れ『Paul Fleeman』のソロ作になる。デュオ作同様に収録年やコンポーザー名を記していないが、カヴァー曲から推察すると'70年初頭の録音ではないかと思われる。-- 当時、ヒットしていた楽曲のカヴァーにオリジナル曲をプラスするのがデュオ時代のスタイルで、本作でもそれは同じ。フィル・オクスの"That's The Way It's Gonna Be (A-1)"、ラヴィン・スプーンフルの"Coconut Grove (A-2)"、CCRの"Looking Out My Back Door (A-4)"、エレビス・プレスリーも歌っていた「Andrea Crouch」作"I've Got Confidence (B-1)"、ジェームス・テイラーの"Fire and Rain (B-2)"、ホリーズが歌ってヒットさせた"He Ain't Heavy, He's My Brother (B-6)"など、馴染みの楽曲が並んでいる。デュオ時代の楽曲"Theme (A-6)"の再演を含むオリジナルは、全12曲中4曲だけだ。プロデュースは、以前紹介した「Ron Moore」で、ギター&ベースで録音にも参加している。バンドスタイルにのせたサウンドは、ゴスペル色は薄まっているがデュオ時代と印象は変わらない。彼の歌声は、長いあいだ封印されていた祠を開けた時に放たれる黴臭さ、そんな骨董品的な懐かしさと暖かさを感じさせる響きを持っている。気だるさに満ちた楽曲"Coconut Grove"やオリジナル曲"Theme"、故「Larry Norman」作の"I Wish We'd All Been Ready (A-5)"などで聴ける霞がかった歌声は、どこか遠い時代の向こう側から歌いかけているようだ。音楽がデジタルに姿を変えデータ化してしまう以前の、作り手の暖かさが聴く者に直に伝わるアナログに相応しい素敵な音楽だと思う。-- ポール兄弟の一連の作品がリリースされた「Aztec Records」。イリノイ・ウィスコンシン・カンサスと、リリースされる度にその所在地は変わっている。「Paul Fleeman」、どこで暮らし何をしているのだろうか。残念ながら、今の彼の消息はつかめないでいる。---
posted by beck at 10:04| Comment(0) | 音楽(US) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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