2010年07月28日

スターダストの歌


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1973年6月に録音されたニュージャージーのクリスチャン系フォーキー 『 Joe Saint 』。幼少期から熱心に教会に通い、学生時代も教育プログラムで宗教を学んでいたようだ。音楽も平行して学んでいたようで、本作も全ての楽器 ( Guitar, Drums, Organ, Piano, Organ, Bass ) を演奏し歌っている。-- 本作には、-- Sings Inspiratinal Song -- ( インスピレーションを与える歌 ) という副題がついている。自身が影響を受けた歌なのか、人々に影響与える歌という意味が込められているのか、ビートルズの "Let It Be (A-4)、ジョニー・ナッシュの "I Can See Clearly Now (B-1)"、キャロル・キングの "You've Got A Friend (B-3)" など、CCM系の人が良く採り上げるヒット曲が収録されている。プラス、"Welcome Table (A-1)"、"Take Our Bread (A-3)"、"Prayer To ( Ofのミス? ) St. Francis (B-4)"、"Day By Day (B-5)" などのゴスペルソングを加えた全10曲収録。全曲で素朴なフォークロックを奏でているが、オリジナルがないのは残念なところ。また、聴く者に副題通りのインパクトを与えるところまでは消化されきれていない凡庸な印象を受ける音楽だ。お隣の州・ニューヨークのナイトクラブなどのローカルエリアで演奏し、ラジオやテレビ出演経験などもあったようだが、彼の音楽への評価はどんなものだったのだろうか。個人的には、アコースティック・ギターの弾き語りなどシンプルに奏ってくれたほうが印象強い作品に仕上がったと思うが、これもCCM系作品に思い描く勝手な願望だろうか。-- 「 Joe Saint 」 について調べてみたが、彼に関する情報にはアクセス出来なかった。本作以外に作品が存在するのか、今もどこかで歌っているのか。今から数十年前の1973年、星の数ほど存在していたであろう歌い手の中に 「 Joe Saint 」 がいたのだけは確かである。---
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2010年07月16日

明日に架ける歌


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ミネソタのゴスペルフォーク3人組 『 Sonfolk 』 、彼等もクリスチャン系が好んで採り上げる定番曲 "Bridge Over Troubled Water (A-3)" を奏っている。カヴァーにも、オリジナルに忠実なものからアレンジを加えたものまで様々だが、彼等は曲中に別の楽曲を入れ込むサンドウィッチ形式をとっている。CCM系コンポーザー 「 George Bennard 」 作の "The Old Rugged Cross" という楽曲で、メロディの違いも少なく違和感なくオリジナルに溶け込んでいる。あまりにも有名なこの曲に関して個人的には食傷気味なのだが、別の楽曲を入れ込むアレンジで心地よく聴ける楽曲に仕上がっている。-- オリジナルなく(多分)、カヴァーものだけ10曲収録。Doris Akers作 "Sweet, Sweet Sripit (A-1)"。キャット・スティーブンスがヒットさせた賛美歌 "Morning Has Broken (A-2)"、Larry Norman作 "I Wish We'd All Been Ready (A-5)" など、A面はスピリチャルなフォークスタイル。B面は一転、The Sly and The Family Stone のヒット曲 "Stand (B-1)" で幕開け。ファッズG入りのガレージロックっぽさには違和感をもってしまう曲。ブルース・ハーモニカ&ボトルネックG入りのブルース "Reasonal Boogie (B-3)" なんて単独の楽曲としてはいい出来だが、フォーク色の強いA面と比べると唐突さは否めない。それでも最後はスピリチャルなフォーク "Matthew 6:22 (B-4)" 、Homecoming (B-5)" で締めてくれる。-- 「体のともし火は目だ。だから,あなた方の目が健全なら、あなた方の全身は光で満ちているだろう」 -- 前者の楽曲は聖書の一節にメロディをつけたもののようだが、どうせなら、ジャケットのイメージ通りの心優しいフォークサウンドで全編を埋めて欲しかったものである。-- バックを務めている5人の中に、ミネアポリスのロックバンド 「 The Echomen / The Bedlam Four 」 に在籍していたメンバーがいる。B面のロックな部分は彼等の影響もあるのだろうか。---
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2010年07月05日

心の歌


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紹介済みの 「 The Singin' Trav'lers 」 と同じレーベル 「 Custom Fidelity 」 からリリースされたカリフォルニアのクリスチャン系SSW 『 Tim Brownfield 』。レーベルのディスコグラフィーから推察するとリリース年は69年あたりだろうか。Tim 氏に関する紹介文には、ロックバンドいた彼が愛用のエレクトリック・ギターを処分し、A・ギターを手に入れたとある。この心境の変化に宗教が関係していたのか知る術はないが、この頃からオリジナルのゴスペルフォークを歌い始めたようだ。-- 全12曲収録された内、オリジナル10曲はA・ギターの弾き語り。残り2曲がCCM系コンポーザー 「 Ira Stanphill 」 作 "Follow Me (B-3)" に 「 Connie Belle Eaton 」 も歌っていた賛美歌 "I Beleive (A-3)" で、どちらもコーラスを交え不明の女性が美しい歌声を披露している。"Peace (A-1)"、"Room In His Heart (A-2)"、"What Has Happened (A-4)"、一人、教会の神と向かい合い真摯に語り合う、その心の言葉がそのまま歌になったような変化のない静かな楽曲が続いている。今にも弦を弾く手が止まりそうな寡黙な演奏にのせた歌声の浮遊感は、音楽の良し悪しを超越した心の呟きだろうか。終末論でも歌っているのか、終わりは近いと歌っている "The End Is Near (B-5)" 。感情を抑えた抑揚のない歌声の呟きには、アシッド感を抱いてしまうほど不思議な感覚に囚われる。-- 「 Tim Brownfield 」、ソングライターとして際立った楽曲はない。しかし、神と語りあう心の歌声とは、飾り気のない呟きにも似たこんな歌たちを指すのかも知れない。--
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2010年07月01日

程よい関係


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テキサス州ホンドにある教会の音楽インストラクターを務めていたPat 嬢 に、その教会のコーラス隊にいた Marilyn 嬢からなるクリスチャン系フォークデュオ 『 Pat Schrader & Marilyn Landers 』 。短い紹介文によると、2人が出会ったのが72年。教会での師弟関係から友情を育み、出会いから7年後に本作をリリースしている。オリジナルはなくCCM系コンポーザー ( Bill Gaither / Stuart K.Hine / Phil Johnson ) 等の楽曲だけ、全11曲収録。バンドスタイルの演奏にのせて純真無垢なハーモニーを聴かせてくれる。-- 好んでCCM系の音楽を聴いていると、教会と音楽の位置関係が、個人的嗜好を満たす選択の基準になってきているようだ。あまり近すぎると、近寄りがたいお堅い音楽になるし、遠すぎると、宗教を利用した商業的匂いを感じて好きになれない。遠からず近からず、教会と音楽の距離を程よく保って表現されている音楽が、SSWの音楽に馴染んできた者には心地よく聴こえてくる。2人の音楽は、その選曲だけでも教会に近いところにある音楽だと分かるものだが、美しいメロディの賛美歌を紡ぐ心地いいハーモニーは親しみやすい宗教音楽を味あわせてくれるもの。教会と音楽、2人の音楽は程よい距離を保っている。-- 雑木林の倒木に腰掛けてギターを爪弾く 「 Pat Schrader 」、その演奏にあわせて口ずさむ雑草に身を沈めた 「 Marilyn Landers 」。向かいあう2人の程よい距離に、宗教と音楽だけではない、心が通いあう人と人の結びつきも感じさせてくれる暖かなジャケット意匠である。---
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