2010年05月29日

ワイン・ミュージック


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オートハープという楽器はフォーク系の音楽では良く使用されているものだが、インディアナ州のクリスチャン系SSW 『 Jerry Wise 』 は、そのオートハープを爪弾きながら素敵な歌を聴かせてくれる。-- 収録曲(3曲のメドレー含む)の大半をジェリー氏のオリジナルと録音参加している 「 Vicki Allen ( Flute ) / David Britton ( Arrangements, Piano ) 」 の楽曲が占めるが、その他は50〜60年代のCCM系コンポーザーの古い楽曲を採り上げている。3曲あるメドレーの中でも、A面3曲目の "My Redeemer / In The Garden / How Graet Thou Art" と、B面3曲目の "My Desire / Holy Holy / Alleluia" がワルツ調のオートハープの弾き語り。ベッドで眠りにつく子供の傍らで子守唄を優しく歌いかけている父親、そんな日常の家庭風景が目に浮かぶような優しさに溢れた素敵な歌に仕上がっている。5人の子供たちの愛らしいコーラスが入る "How Great Thro Art (A-4)" の慈愛に満ちた優しい歌声も魅力的だ。バンドサウンドにストリングスが入るAOR調の "Patience (A-2)" や表題曲の "Sing Throughout The Land (B-1)" も悪くはないが、線の細い声質のジェリー氏にはオートハープに多少の音の装飾をつけたメドレーの良さが際立って聴こえてくるのは仕方がないところだろうか。オートハープのイントロに導かれるオリジナル "Time To Be (A-1)" で始まり、表題曲の短いリライズで終わる本作。sb_445b.jpgジャケットにはたわわに房をつけた葡萄の写真が使用され、レーベル名は 「 New Wine 」 。その名に相応しい、熟成前のフルーティな薫り漂う搾りたての音楽が詰まっている。-- 「 Jerry Wise 」、テキサスのオースチンに同姓同名のクリスチャン系SSWがいる。実にSSWらしい優しい歌を聴かせてくれる人で、この彼にはインディアの大学にいた経歴が残されている。作風も声質もちょっと違う気もするのだが、はたして本作と同一人物なのだろうか。---
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2010年05月23日

スウェーデンの森の歌


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見ているだけで清々しい気分にしてくれる新緑の中の3人組は、スウェーデンのクリスチャン系フォークトリオ 『 Lekebergstrion 』 の面々。Bengt Johansson ( A.Guitar, Mandolin, Banjo, Piano / Hans Johansson ( Bass ) / Soren Saterhagen ( A.Guitar, Banjo, Bongs ) に、フルートやフィドル、パーカッションなどのサポートが楽曲によりついている。オリジナル3曲、スウェーデン人コンポーザーのものが3曲、トム・パクストン作にトラッド4曲の全11曲収録。英語と母国のスウェーデン語が約半々の割合、ライナーは手書きの母国語なので判断しかねるところもあるが、概ね、これらの情報に間違いはないだろう。-- 時代的に、60〜70年代のアメリカン・フォークの影響を少なからず受けていると思われるゴスペル・フォークだが、ドラムス入りのオリジナル曲 "Stand Up (A-1)" のポップなキャチー感とリズムカルな軽快感には良い意味で期待を裏切ってくれる素敵な曲だ。ルイ・アームストロングやサム・クックも歌っているトラッド "Nobody Knows (A-3)" に、ジェームス・テイラーも歌っていたトラッド "Go Tell It on the Mountain (B-1)" も同じ心地良さを持っている曲。トラッド "Gud I Var Narhet (A-4)"、トム・パクストン作の "John The Baptist (B-3)"、フルート入りのアイリッシュフォーク風味なオリジナル "Han Var Sa Annorlunda (B-4)" など、アコースティック・ベースのコーラスワークを活かしたフォークサウンドが本来の彼等の姿だろう。そのコーラスの美しさが醸しだす心地良さに何故か懐かしさをを覚えるのは、この時代の音楽をリアルタイムで聴いて青春期を過ごした者でしか感じ得ない郷愁感なのかも知れない。フォーク〜スウィング・ジャズ〜ロックとリズムが揺れ動いていくトラッド "The Light From The Lighthouse (B-5)" の見事さは、本作の素晴らしさを締めくくるに相応しい素敵なエンディングである。-- メンバーの核だったと思われる 「 Bengt Johansson 」。パートタイムでの音楽生活は続けていたようだが、現在はバンドを従えフルタイムのプロ・ミュージシャンとして活動しているようだ。その歌声を 「 MySpace 」 で聴くことができる。---
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2010年05月15日

平和なロック


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ニューヨーク州ロングアイランドのクリスチャン系SSW 『 Gregg Suriano 』。ロックテイストとバラードとの硬軟バランスがいい塩梅いう意味では、紹介済みのCCM系SSW 「 Bill Greenwood 」 と資質は同じところにある人だ。-- オリジナル全8曲収録、自身の ( Lead vocals, Meletron, Keybords ) にシンプルなバンドサウンド( Guitar, Bass, Drums, Congas, Sax, Backing vocals ) がついている。"Where Do You Stand (A-1)"、"Until He Came (A-3)"、"Belived A Life (B-1)"など、タイトなリズム重視のバンドサウンドにのせたキャッチーなメロディのAORはこの手の音楽スタイルが少し苦手でも心地良く聴けるもの。Gregg 氏の歌声は、どこか頼りなさ気で甘く優しいものだが、音数の少ないシンプルで硬質なバンドサウンドと良くマッチしていて心に真直ぐ響いてくる。"Reason To Live (A-4)" や "The Last Days (B-4)" など、バラードには特筆すべきものがある Gregg 氏だが、その中でもA面2曲目に収録されている "It Must Be Long" 。ピアンマンらしいマイナー調の弾き語り曲だが、サビ部でメジャー転調するあたりから入るストリングス (Meletron?) のさり気ない美しさには絶品のものがある。繰り返し聴いても飽き足らないバラードというのは、こういう曲のことを言うのだろう。資質の似ている 「 Bill Greenwood 」 同様、ツブ揃いの素敵な楽曲が収録された良質の作品である。-- 「 Gregg Suriano 」 には、もう一作品あるようだが未聴。出会える幸運があったら、ぜひ聴いてみたい人である。---
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2010年05月09日

ハピネス・ソング


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紹介済みのミネソタのCCM系シンガー 「 Lydell Feist 」 の2作目に収録されていた "Say I Do"。どこか懐かしさを覚えるキャッチーなメロディを持った曲で、同じ曲をカヴァーしている理由で手にしたのがニュージャージーのクリスチャン系シンガー 『 Dolores Genova 』。リリース年は不明、シルエット気味の横顔からだけでもその美貌が窺える愛らしい顔をした女性だが、その容姿に相応しい可憐で清楚な歌声をバンドサウンドにのせ聴かせてくれる。-- CCM系コンポーザーの楽曲カヴァーだけ、全10曲収録。表題曲のIra F. Stanphill作 "Happiness Is The Lord (A-1)"、Bill Gaither作 "Reaching (A-3)"、Don Marsh作 "I Want Jesus More Than Anything (A-4)"、Russ Lindberg作 "A Broken Heart I Gave (B-2)"、Andrae Crouch作 "The Blood Will Never Lose Its Power (B-3)"、Horatio Bliss & Phillip Spafford作 "It Is Well With My Soul (B-4)"、Ralph Carmichael作 "The Savior Is Waiting (B-6)" などなど。彼女も敬虔なクリスチャンなのだろう、裏ジャケットにはイザヤ書の一節(Isaiah 60:19-20) が書かれている。その敬虔さに裏打ちされた汚れなき澄み切った歌声には、陽気でアップテンポな表題曲より多くを占めるバラード系のほうが良く合うし、心癒してくれる素敵な仕上がりだ。彼女の歌うバラードの心地良さは、美しいジャケット意匠を眺めながら聴けば倍増すること請け合いである。-- 日本でも、田辺靖男と梓みちよが歌ってヒットした 「ヘイ・ポーラ」。オリジナルは男女デュオ 「Paul & Paula」 で1963年に全米No.1ヒットとなった曲である。本作を入手するきっかけになった "Say I Do" の作曲者が、その 「Paul & Paula」 のポールこと 「Ray Hildebrand」 その人だと知ったのは思わぬ発見だった。---
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2010年05月05日

不明バンド


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録音はノース・カロライナのバーリントン、レーベル所在地はオハイオ。クリスチャン系フォークトリオ 『 Gospel Plow 』。ボブ・ディランも歌っていたアメリカのトラディショナル・フォークソングをバンド名にしているが、収録曲のクレジットがあるだけでリリース年など他の情報一切なしの不明のバンド。-- オリジナル全13曲収録、コンポーザー名から 「 Lowell Adams / John Lyde / David Mirro 」 が3人の名前のようで、使用楽器は ( a-guitar, harmonica, banjo, bass ) 。その大半の楽曲を手がけているのが 「 Lowell Adams 」。推察になるが、このLowell氏がA・ギター&ハーモニカでリードVoをとっているのではと想像している。"I Guess I Never Know (A-1)"、"Devil's Train (A-4)"、"Jesus Sure Changed Me (A-6)"、"Do You Think The World Is Up A Crick (B-3)" など、バンジョーが使われていることや甲高いハーモニーのつけ方などブルーグラス風味のカントリーフォーク。アビーロード期のジョージ・ハリソンに酷似した風貌のメンバーがいる訳でもないだろうが、カントリーロックバンドがアンプラグドしている趣と言ったほうが近いサウンドかも知れない。哀愁を帯びた音色のハーモニカが入るSSW然とした静かなフォキーソング "Hey Sad Stranger (A-3)"、"Another Mornin' On The Road (A-7)"、"Wouldn't Go Back (B-1)"、"Prodigal Son (B-6)" などが、その印象を一層強く感じさせてくれる。-- バンド名を 「 Gospel Plow 」 と表記しているが、表題の "Living Epistles" の方がバンド名なのかも知れない。ネットで調べてみても情報は皆無、活動地を含め何から何まで不明だらけのバンドだが、素敵なバンドなのだけは間違いない。---
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