2009年06月27日

ピースフル・バンド


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旧約聖書 "創世記8章8〜11節" には、放たれた鳩がオリーブの葉を咥えて帰ってきたことでノアの箱舟の人々は大洪水の難が去ったことを知ったという記述がある。そんなエピソードから、白い鳩とオリーブの葉は平和の象徴として描かれるようになった。-- 米・ケンタッキーはウィンチェスターのクリスチャン系フォークロックバンド 『Wild Olive Branch Band』。ジャケットにオリーブの木が描かれていることからも、そのバンド名には平和を願う意味が込められていたのだろう。「Richard Broaddous (Bass, Vocals) / Ron Houtz (Acoustic guitars, Electric 12-strings guitar, Slide guitar, Bass, Piano, Vocals) / Mike Price (Drums, Acoustic guitar, Congas, Harmonica, Cowbell, Tambourine, Vocals) 。メンバー個々が'71年〜'77年までに書き溜めたオリジナル11曲を収録。リード・ヴォーカルをシェアし他のメンバーがハーモニーをつけるのがこのバンドの基本スタンス。"Life Is More (A-1)" や"Not In New York City (A-5)" で聴けるリチャード氏とロン氏のクリスチャン系らしい端正な歌声もいいが、スライド・ギター入りの "Light On A Hall (A-2)" にハーモニカ入りの "We Love You (A-4)" など、カントリーフォーク調の楽曲で聴けるマイク氏の歌声が個人的には一番の好み。このマイク氏、"High Times, Low Times (A-6)" や "Changes (B-1)" では、R&R調の楽曲を英国のパブ・ロックバンド "Brinsley Schwarz" を思わせる雰囲気で歌っていて、さらにニンマリさせてくれる。歌声には好みもあるが、リード・ヴォーカルを全てマイク氏に任せていたらと、個人的に思ってしまうのは仕方がないところだろうか。しかし、3人が織り成す長閑なユルユル・サウンドは聴く者を実に心地いい気分にしてくれる、ピースフルで素敵なバンドである。-- 他のメンバーの所在確認は出来なかったが、同じケンタッキー・ウィンチェスターで活動している写真家に「Richard Broaddous」という同姓同名の人物がいる。このバンドにいたリチャード氏なのでは?と想像しているが。---
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2009年06月23日

5弦バンド


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アイリッシュ・フォーク・スタイルのインスト曲 "Taterbug's Lament" で幕開けのフロリダの5人組フォークバンド 『 Five String 』 のデビュー作。ジャケット写真の右端2人、ハンチング帽の 「Jesse Michaels」( Lead & Rhythm gutar, Vocals ) とアロハシャツを着た 「 Debbie Newsom 」 ( Banjo, Rhythem guitar, Vocals ) を核にしたバンドのようで、オリジナル10曲も約半々の割合でその2人が手がけている。-- 2人のデェット曲 "Just Like The Old Day (A-2)" をはじめ、"My Father Used To Play The Mandlin (A-3)" 、"The Cimmeya Beer Song (A-5)"など。ジェシ氏は穏やかさで心地いいカントリーフォーク・スタイルで聴かせる人。A・ギターの弾き語りにフルートのリードが入る "Everytime I See You (A-4)" 、ハーモニーコーラスが入る "It's Over (A-2)" に "Old Man (B-3)" など。もう一方のデビー嬢もカントリーフォークながらも、どちらかと言えばフォーク色が強い。 "On My Way (B-1)" に "Omaha Snow (B-4)" は、フィドルやバンジョーが使われたブルーグラス・スタイルの陽気な楽曲だが、ベタなブルーグラスに聴こえないのはフルートの音色がそのカラーを薄めているせいだろう。トータル作品としてフォーク好きには好みのものだが、不満があるとすれば、これぞと言ったキラーソングがないことと、デビー嬢のヴォーカルがちょっと弱いところだろうか。他のメンバーは以下の通り、「Joe McCoy (Electric Bass, Vocals), Kevin Holloway (Fiddle, Mandolin), Kristen Holloway (Flute)」。-- この作品のラストを飾るのは表題曲 "...And Friends (B-5)"。「Thank you for my friends」と歌っているが、今もバンド仲間との友達関係は続いているのだろうか。残念ながら、彼等の今の動向はつかめなかった。---
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2009年06月15日

イエス・ソング


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ニューハンプシャーのクリスチャン系SSW 『Wayne Monbleau』 。録音は、西隣の州・バーモント。バーモント作品ではお馴染みの 「Green Mountain Records」 のスタジオが使用され、レーベルも同名義になっている。-- オリジナル10曲、1曲だけブルースハープの 「Dave Smith」 の助演は受けているが、全編、A・ギターによる弾き語り。加工されていないサウンドの生々しさのせいか、マイナー調の楽曲が多いせいか、粗野な印象を受ける声質のせいか。ウェイン氏の音楽は、州境をカナダと接する北国のSSWらしいセンシティブさの中にもゴツゴツとした無骨な印象を与えるもの。表題曲の "To My Shepherd (B-5)" 、水音のサウンドエフェクトから入る "John The Baptist (B-2)" など。どこか、雪に閉ざされた生活の陰鬱さを引き摺ったような暗く重苦しい空気が漂っている。アコースティック・ブギー・ナンバー "One Minute Boogie (B-4)" 、心地いいメロディを持ったフォーキーソング "Message Of Love (B-1)" にコーラス入りの "Song Of Paul (A-3)" などの明るめの楽曲が重苦しい空気から開放してくれるのが救いだ。長めの楽曲が多いストーリーテラー的なウェイン氏の音楽は、その歌詞の意味を紐解きながら聴くのが正しい接し方だが、言葉が理解できれば彼の歌声に違った印象を持つのだろう。ウェイン氏に限らずだが、宗教音楽は繰り返し聴くほど深みに嵌っていく魅力的なものが多い。信仰心があるわけでなし、今の好みが宗教音楽だという単純な個人的理由以上のものは何もないはずだが、それこそが、宗教音楽の存在目的である啓蒙の魔力の成せる技なのかも知れない。-- 「Wayne Monbleau」、現在はニュージャージー在。'79年設立の宗教団体 「Loving Grace Ministries」 を率い、イベント開催、ラジオ番組「Let's Talk About Jesus」 のホスト、出版音楽作品のリリースなどの啓蒙活動を続けているようだ。その活動振りの一端を "YouTube" の映像で見ることができる。---
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2009年06月07日

グリーン・フィールズ


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アイリッシュ・アメリカンのフォークデュオ 『Steve & Peter Jones』。録音年は不明、バージニアとメリーランドで録音され、レーベル所在地はメリーランド。推測になるが、当時はメリーランド在の兄弟だったのだろう。-- "Peter Jones" ( vocals, guitar )、"Steve Jones"( vocals, guitar, piano, viola, mandolin )、3曲でリードをとっている黒人女性 "Luci Murphy" ( vocals, harmony )。3人を核に、ベース・チェロ、ヴァイオリン・ボンゴ・マラカスのサポートがついているが基本はA・ギターの弾き語り。全13曲、そのほとんどをジョーンズ兄弟が手がけているがアイリッシュ・フォークの薫り漂う作品に仕上がっている。オープニング曲 "Kilkelly, Ireland" は、そのアイリッシュ・バラッド。アイルランドで暮らす曾祖父宛に書いた手紙を題材にした歌のようで、調べてみるとこの楽曲をカバーしている "バンド" や "作品" を散見できる。"The Taxie Song (A-6)" に "King George (B-4)" も同タイプの楽曲で、ジョーンズ兄弟の音楽ルーツがアイリッシュにあるのが分かる。コンガが効いたカリプソ風味の "The Gallo Song (A-2)"。カントリーフォーク調の "27-Year-Old Virgin (A-4)" に "Statue Of Liberty (B-2)"。ブルース調の "Stationary Blues (A-5)"。その様々な音楽スタイルに、彼等が影響を受けたであろう音楽ルーツも垣間見える。戦争の為に国を離れている若者を歌った "What To Do (A-3) " は、この作品の中で一番好みの曲。A・ギターの弾き語りによる美しいメロディをもったフォーキーソングだが、この曲を含めトータルとしての作品イメージは、気品と気高さが感じとれる英国フォーク独特の音楽情緒が漂っているものだ。やはり、ジョーンズ兄弟の音楽の故郷はアイリッシュにあるのだろう。-- 「Steve & Peter Jones」、近年まで音楽活動をしていた形跡はあるのだが、確信をもてる情報は得られなかったので記すのはやめておきたい。今も、アメリカのどこかで歌っているのだろうか。---
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