2008年12月31日

グッバイ!2008!


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その年に亡くなった各界の著名人たちを通して一年を振り返る、ニュース番組やワイドショー等の年末恒例企画である。その著名人に名を連ねることもなく「Delaney Bramlett」が亡くなった。12月27日、LAの病院(Ronald Reagan UCLA Medical Center)で胆のう手術後の合併症のため死去、享年69歳。-- 『Delaney & Bonnie』、二人は「Home」からそれぞれの音楽の道へ旅立っていった。"Hard To Say Goodby (B-3)"、さよならを言うには辛いことだけど、これも自然な時の流れ。"It's Been A Long Time Coming (A-1)"、長い間わたし達の心にあなたは魂の歌声を届けてくれた。"We Can Love (A-3)"、あなたの歌声をみんな心から愛していた。"Pour Your Love On Me (B-4)"、あなたの歌声は私たちに十分過ぎるほどの愛を注いでくれた。"Piece Of My Heart (B-5)"、あなたの歌声は私たちの心の一部になった。"Just Plain Beautiful (B-2)"、死と引き換えにあなたの歌声は永遠の美しさを手に入れた。"Everybody Loves A Winner (A-5)"、サザンソウルの魂は永遠のもの。あなたの死に、スティーブ・クロッパーのギターがすすり泣いている。メンフィスホーンが号哭の叫びを上げている。「Bonnie Bramlett」のシャウトする歌声が悲しみに暮れている。
-- Goodby! Delaney! -- Goodby! 2008! ---
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2008年12月28日

緑の恋しい季節


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'60年代初頭から活動しているマサチューセッツのクリスチャン系SSW『Paul Quinlan』。オリジナル全10曲中、作曲者自身が歌っているのは一曲だけで残りは女性一人(Eileen Dunn)に男性4人(Bob Knox, Fred Griffith, Mitch Chakour)のヴォーカル陣がシェアしているので厳密に言えば本作はSSW作品ではない。-- プロデュースは、ピーター・ローワンのバンド「Earth Opera」に在籍していた「John Nagy」で、エンジニア&アレンジから演奏(Bass, Guitar, Keyboard, Mandolin)まで全面的にサポートしている。鍵盤楽器にマンドリンがフォーキーソングらしさを醸しだしている女性リードVoのバラード"Love Song (A-2)"、"Come The Light Of Morn (B-3)"。バンドのリチャード・マニュエルがドラムスをたたきながら歌っている趣の"Roll On Mighty Mountain (A-3)"、"Gather Round (A-5)"、"Praise The Lord (B-5)"。タイトなドラムスにマンドリンの音色が心地いいフォークロック・ナンバー"The Lord In My Shepherd (A-1)"、"Where Would I Go (B-1)"。唯一、作者自身が歌っている"Walking Down The Avenue (B-4)"は曲の良さにヴォーカル力量がついていけないようで、本作に限りリードVoを任せて正解の感だ。アルバム全体を通しヴォーカルをシェアしている散漫さはなく、どこかしらウッドストック・サウンドの薫り漂う一本筋の通った良質のフォークロック作品に仕上がっていることだけは間違いない。-- 「John Nagy」と言えば、レア名盤の「Bill Staines」の「Evolution盤 ('72)」のプロデューサーとして知られている人である。また、「Andy Pratt」「Michael Hurley 」「Dave Grisman」「George Thorogood」なども手がけ、あの「Woodstock Mountain Revue」ではエンジニアを務めている。「Paul Quinlan」の楽曲の良さもさることながら、本作の良質さは「John Nagy」による功績も大きそうである。---
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2008年12月25日

ライブな人


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ヤングブラッズ後の「Jerry Corbitt」ソロ作には、ポリドール盤('69年)と'キャピトル盤('71年)があるのだが、その両作をプロデュースしていたのが「Charlie Daniels」だった。個人的には、もうひとつの感をもってしまうスタジオ録音盤なのだが、それはライブ盤における彼の魅力を知ってしまったせいかも知れない。-- ルーレット傘下の「Tiger Lily Records」からリリースされた『Corbitt & Daniels』のライブ盤。「Jerry Corbitt (Rhythm Guirar, Harmonica, Vocals)、Charlie Daniels (Fiddles, Lead Guitar)、Joe Roman (Keybords)、Jeffrey Meyer (Drums)、Earl Grimsby (Bass)、And Friends)」の面々がたたきだす荒々しい南部サウンドは魅力的だ。オールマンしているR&Rナンバー"Great Big Bunches Of Love (A-1)"に"Caldonia (B-1)"。カントリーフレイバー漂うジェシ・コリン・ヤング作の"Till You Come Back Home Again (A-3)"。チャリー・ダニエルズのソリッドなフィドルが大活躍の"Sweet, Gentle Lovin' (A-2)"に"Orange Blossom Special (B-3)"。ルイ・アームストロング作の"Stormy Monday (B-2)"は10分を越えるブルースナンバーだが、ハーモニカを吹きながらブルースしている「Jerry Corbitt」の歌声はスタジオ録音では聴くことのできない黒っぽさだ。PA不調で数曲にハウリングを起こしているが、そのノイズ音さえも演奏の一部に取り込こんでライブの臨場感を演出しているかのようだ。デュアン・オールマン在りし頃のオールマン・ブラザース・バンドはブルースバンドだったが、ディッキー・ベッツがカントリー色を持ち込みサザンロックに変化していった後期オールマンのサウンドに近い音だ。ライブでみせる「Jerry Corbitt」の汗に塗れた歌声の何と活き活きとしていること。ライブでその真価を発揮するタイプなのか、きっと、彼は「ライブな人」に違いない。-- この作品には「Live 2」も存在するのだが、いまだその現物に出会ったことがない。「Tiger Lily」の作品はレア物が多く、たとえ運よく出会えても高価で手は出せないだろう。---
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2008年12月20日

時代を巡る歌


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ドイツやロシア帝国などの列強国に翻弄されてきた暗い歴史をもつバルト海に面した国・エストニア。ソビエト連邦崩壊後の'91年に独立回復を宣言し、国際連合・北大西洋条約機構 (NATO)・欧州連合(EU)に加盟している国である。-- エストアニのフォークソングをガットギターの弾き語りで聴かせてくれるのは、エストシア人フォークシンガー『Reet Hendrikson』。彼女に関するネット情報はあるのだが、エストニア語表記のものばかりで理解しようがない。ただ、経緯は定かではないがカナダのレーベル「Reindeer」からのリリースでデビュー作であるのは間違いないようだ。"The Orphan Boy (A-4)"や"Soldier's Sister (B-5)"など、戦争で親を失った孤児や兵士の姉妹のことを歌った反戦歌らしき曲がある。また、「村の緑の上で」と題された"On The Village Green (A-1)"、「農民少年の日曜日」と題された"The Sunday of a Peasant Boy (A-6)"、「真夏の夜」と題された"The Midsummer Night (A-5)"、「私が子供のころ」と題された"When I was Childhood (B-3)"など、農民をテーマにしたと思われる歌が多くある。デビュー年は、年代的にアメリカのプロテストシンガーたちが持て囃された混乱の時代と符号する。彼女も、貧困や反戦・人種差別などの社会的メッセージを歌にこめるタイプのフォークシンガーだったのではないかと推察している。プロテストソングには、弱者の代弁者としての強いメッセージ性と共感を呼ぶ美しいメロディが欠かせない。残念ながら、彼女が母国語(エストニア語)の歌に込めたメッセージの欠片すら理解する術はないが、素朴なメロディーにのせた穏やかで深みのある歌心には大いに惹かれる。弾き語りの音楽はシンプルが故に人の心を掴むサムシングが必要だが、彼女の歌にはそれがある。そのサムシングとは、歌に込められたメッセージを伝いたいと願う切なる思いだろう。繰り返し聴いても飽きることのない素敵なフォークソングである。-- 世界経済は確実にメルトダウンを始めている。皆が平和な生活を謳歌した穏やかな時代は終わりを告げ、誰もが明日をも知れない混乱の時代を迎えようとしている。プロテストソングを必要とする混沌とした時代の本番はこれからだ。時代は巡る、である。---
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2008年12月16日

南部のボブ・ディラン


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今も現役で活躍しているフォークシンガー『Bob Frank』。ヴァンガードからリリースされた作品には、弾き語りオンリーにバックサポートがついた楽曲が収録されているのだが、参加ミュージシャンのクレジットがなく不明のままだった。公式サイトに、その客演者の名前が紹介してある。「Eric Weisberg, Charlie McCoy, Buddy Spicher, Russell George」の面々だったようだ。また、この作品はコレクターズアイテムとしてプレミアがついている事なども合わせて紹介してある。中古レコード屋に日参していた当時、この作品は良く見かけたものだが何処へ消えてしまったのか、今となっては隔世の感だ。-- A・ギターの弾き語りによるトーキングソング"Wino (A-2)"に"Judas Iscariot (A-5)"。ハーモニカがつくフォークブルース調の"Way Down In Mississippi (B-2)"。フィドルがつくカントリーフォーク"She Pawned Her Diamond For Some Gold (A-2)"など、3分にも満たない短めのオリジナル曲が収録されている。全編通して、ブルースの薫りは少なくカントリーフォークによるホーボーソングといった長閑さが漂っている。その中でもお気に入りの楽曲がハーモニカとフィドル(ヴァイオリン?)入りの美しいフォークバラード"Cold Canadian Pines (A-4)"だろうか。収録全12曲中で唯一3分(3:28)を超える楽曲だが、小刻みに声を震わす彼独特の歌い方とも相まって素敵なフォーキーソングに仕上がっている。ヒッピー風な風貌のアウトサイダーが歌う何の変哲もないフォーク作品だが、それを魅力的にしているのは個々のメロディーの歌心をたっぷり吸い込ませた「ちじれ麺ヴォイス」の彼の歌声にあるのだろう。-- 2002年にリリースされた近作"Keep On Burning"のプロデューサーでもある「Jim Dickinson」から「南部のボブ・ディラン」と称されたこともある「Bob Frank」。今現在、サンフランシコから北東へちょっと離れた「El Sobrante」というところで暮らしているようだ。---

Bob Frank Official Site
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