2008年10月26日

沈黙音楽


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ノース・カロライナ州・アッシュビルで暮らしているクリスチャン系SSW『Ron Moore』。以前紹介した「Ed Kilbourne」等と立ち上げたレーベル「Airborn Records」の創設者の一人で、本作はその「Airborn」時代のソロ3作目になる作品。宣教師だった両親の布教先・韓国ソウルで幼少期の13年間を過ごし、その後も様々な国々での生活や演奏活動の経験があるようだ。彼の「MySpace」によると、影響を受けたミュージシャンには「Bob Dylan, Niel Young, Tom Petty, Stills, Nash & Young, The Byrds, Eagles..」などの米国勢に加え、「The Beatles, Yes, The Police, Steve Winwood..」等の英国勢が並んでいる。-- カサカサとした乾いたA・ギターのカッティング・ストロークにリズム隊が心地いいリズムを刻む"Same Sweet Song (B-2)"や"Seek The Kingdom (B-2)"ではニール・ヤングやトム・ペティを連想させたり。美しいメロのバラード"The Father Knows Best (A-2)"では、イントロのピアノがクイーンのヒット曲「Bohemian Rhapsody」を思わせたり。R&Rナンバー"Don't Scorn Your Eyes (B-4)"や"Wake Up Sleeper (A-4)"ではビートルズを思わせてくれたり。基本はフォークロックなのだが、リズムテンポをずらしたり転調したりと凝ったアレンジを施したプログレッシブさは、米国人でありながら米国音楽を憧憬する英国ミュージシャン特有の雰囲気を持っている。ビートルズ等の英国音楽の影響を少なからず受けているようだ。ピアノの調べにのせて歌われる"Sunflower (B-3)"は5分にも及ぶ長めの楽曲だが、その哀愁を帯びたメロディの素敵さは本作の素晴らしさを集約している出来である。全11曲オリジナル、個々の楽曲の輪郭を明確に持った良質のフォークロック作品だと思う。-- クリスチャン・ネームだろうか、直近の作品では「Ephrem Moore」と名乗っている。「wikipedia」によると、「Ephrem - エフレム(306年頃 - 373年)」は4世紀のシリアで活躍したキリスト教の修道士、聖歌作家、神学者でカトリック教会と正教会における聖人のようだ。その歌声は「MySpace」で聴くことができる。---

Ron Moore Official Site
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2008年10月23日

オー・ハッピー・ソング


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カリフォルニアのクリスチャン系SSW『Bob Hurd』。'80年作「Roll Down The Age』は以前紹介済みで、宗教色の強い荘厳で凛とした音楽を聴かせてくれた。-- 彼の音楽は、宗教系の作品に良くある大所帯のコーラス隊を配したサウンドを踏襲しているものだが、'70年代の作品はまだフォーク色が色濃い素朴な味わいを持っている。「O Let Him In」と題された作品、有名なゴスペル合唱曲「Oh Happy Day」を思わせるオリジナル曲、全11曲が収録されてる。14名からなる男性コーラス隊「Whitebird」が前面に出ている楽曲では、主役であるはずのBob氏の存在が霞んでしまうのはちょっと残念ところ。この辺りはSSW好きには好みの別れるところだろう。それでも、A・ギターにフルートだけで歌われる"Christ's Song (A-4)"、A・ギター&ハーモニカのディランスタイルで聴かせる"John The Baptist (B-2)"、A・ギター&ピアノで歌われる"Through The Day (B-5)"など、フォーキー然としたパーソナルな姿を見せる楽曲にはハッとさせられるものがある。sb_338b.jpgこれは悪までも個人的好みになるが、表題曲の"O Let Him In (A-1)"や"O Lord, You Know Who I Am (B-6)"、"Through The Day"など、Bob氏のヴォーカルを活かしながらサビ部にコーラス隊を配するなど、リードとコーラスの境界線を明確すればもっと魅力的な作品になっただろう。-- カルフォルニア州・サンノゼに奥さん「Pia Moriarty」と暮らしている「Bob Hurd」。サンタクララ大学で教鞭をとるかたわら、教会施設に音楽などの崇拝リソースを提供する団体「OCP」に奥さん共々所属し、今も音楽活動を続けている。---
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2008年10月19日

モジョとロニー


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Ronnie Montrose」がハード・ロックバンド「Montrose」を結成する以前に在籍していたバンド「Sawbuck」。このバンドにリード・ヴォーカル&ギターで参加していたノース・カロライナ出身のSSW『Mojo Collins』。片方はミュージック・シーンの表舞台へ、もう片方は地元に戻り自主レーベルから作品をリリースするなど地味な活動へと入る。両者とも自分のやりたい音楽を表現する為の選択だろうし、それは水と油ほど違う音楽スタイルとなって現れる。-- '79年リリースの本作は、ロック・フォーク・ブルース・ジャズ・カントリーなどが混在したルーティな音楽スタイルで、良質のSSW作品に仕上がっている。全12曲オリジナル。自身の(Vocal, Guitar, Keybords)に、控え目なサポート(Bass, Drums, Guitar, Harmonica)がついている。A・ギター&ハーモニカで聴かせる"Shining Star Over Jokey's Ridge (A-4)"や"Freedom Call (B-3)"ではフォーキー然とした姿。"Lonesome Ralelgh Blues (A-5)"や"Sllence Of Gold (B-6)"ではカントリーロック然とした姿。パーカッシブな楽曲"Flight Of Magic (A-3)"では洒落たジャズ然とした姿。様々なルーティな音楽スタイルが違和感なく一枚のアルバムに溶け込んでいる。"Midnight Wind (A-6)"や"Ocracoke (B-4)"などを聴いていると、どこかしら「Fifth Avenue Band」を思わせる雰囲気を持っている。勿論、「Mojo Collins」の穏やかで優しい声質と「Peter Gallway」の声質とは違うし、ニューヨーク的なお洒落感もないのだが、音楽的資質は近からずとも遠からずの感を持つ。個人的嗜好では、表舞台で脚光を浴びるより地元に戻り長閑に音楽を楽しんでいる姿の「Mojo Collins」に共感を覚えてしまうのは仕方がないだろう。-- 近年の「Mojo Collins」は、幼少期に影響を受けた父親でブルース・ミュージシャンでもあった「Wild Bill Collins」の音楽に戻っている。ブルースしているその歌声は「YouTube」や「CD Baby」で聴くことができる。---

Mojo Collins Official Site
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2008年10月18日

音の道標


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丸太で作られた質素な十字架に膝まづくのは、カリフォルニアのクリスチャン系SSW『Steve Lorenz』。短い紹介文によると、オレゴンに近いカリフォルニア北部の町・ユーリカにある製材所のグレーダーとして働いていたようで、仕事の合間に歌作りに励んでいたとある。例によって、リリース年やコンポーザー名を記していない。また、彼の公式サイトらしきものは存在するが、連絡先があるだけの中味がない状態で詳しくは確かめようがない。-- 録音・プレスとも米・北東部オハイオのシンシナティ。プロデュースは「Charles Novell」、当地で音楽学校やスタジオを経営している人のようで、アレンジを含め全面的なサポートを受け制作されている。(多分)オリジナルであろう楽曲、全10曲を収録。数曲でストリングスのついたバンドサウンド(Guitar, Piano, Bass, drums, Pedal Steel )にのせ、クリスチャンらしい真摯な歌声を披露している。表題曲の"Wooden Pathway (A-1)"をはじめ、"He Took Away (A-3)"、ペダル・スティール入りの"Come To Me (A-4)"、"All That I Need (B-2)"、"Born To Be Re-Born (B-5)"などのバラード系で聴ける歌声は、以前紹介したカナダの「Dave Chapman」と重なる枯れた味わいを持っている。アップテンポな陽気目の楽曲"Obedient To His World (B-3)"など数曲はカントリー風味なのだが、カントリー臭さを感じないのは真面目に歌いあげる歌い方のせいだろう。地味なアルバムだが、クリスチャン系らしい心癒される音楽が詰まった素敵な作品だと思う。-- 表題の「Wooden Pathway」、人が人生の道に迷ったときに正しい道へ導いてくれるのが宗教という意味だろう。金融工学を駆使し世界の覇権国家となったアメリカを今襲う金融危機。その暗雲は世界を覆いつくそうとしている。強欲さに塗れた世界の人々の道標に宗教はなれるのだろうか。---
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2008年10月14日

永遠を共に


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ナッシュビルの音楽産業の裏方で今も活躍しているカントリーゴスペル・デュオ『Don & Jackie』。「Don Cusic」は、カントリーミュージシャンの「伝記本」やライナーノートの執筆等、「Jackie Cusic」嬢は「Amy Grant」をはじめ数多くのカントリー系作品のバックアップ・ヴォーカリストとして名を連ねている。-- そんな2人が残した唯一の作品「Together In Eternity」。直訳すると、「永遠に一緒に」なんてなるのだろうか。ジーザスやハレルヤなど、ゴスペル色の強い歌詞内容のオリジナル全12曲。一応、リードヴォーカルはシェアしているが、「Nanci Griffith」を彷彿とさせる美声の持ち主「Jakie」嬢がほとんどの楽曲でリードをとっている。バンドスタイルのバックがついたA面はメジャー作品に劣らないカントリーソングの出来なのだが、その完成度の高さが逆に不満に感じたりする。それは、B面のシンプルなアンサンブルと対比すると余計に鮮明になる。A・ギターの弾き語りにヴァイオリンだけで歌われるバラード"Silent Surrender (B-1)"に"Praise You Father (B-5)"、ハープシコードだけで歌われる賛美歌"Psalm 108 (B-3)"、A・ギターにハーモニカだけで歌われるバラード"Song To The Son (B-3)"など、余計な音の装飾を省き美しい声が引きたつ楽曲が並んでいる。バラード系がB面に多いせいもあるだろうが、収録順をバランス良く配置してあればトータルとしてもっと心地よく聴ける素敵な作品に仕上がったのではないかと思う。-- 「Song To The Son」、息子に捧げた歌があるので「Don & Jackie」は夫婦ではないかと想像している。名前も変わっていないので「Together In Eternity」な生活は今も続いているのだろう。---
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