
マック・デイヴィスのヒット曲 "
I Believe In Music" はレリジャス系のフォーキーたちが好んで採り上げる楽曲のひとつだが、オレゴンのクリスチャン系フォークデュオ 『
Tom & Theresa 』 もB面1曲目でカバーしている。宗教と音楽、男と女、信じるべきものが一つの楽曲に結びつくなら歌いたくなるのは極自然の帰結なのだろうか。-- オリジナル6曲、ジュディ・コリンズの "Song For Judith (A-1)"、キャッシュマン、ウェスト&ピスティリの "Richard & Me (A-4)"、ゴードン・ライトフットの "Early Morning Rain (A-4)"、ダニエル・ムーアの "
Oregon (A-6)"、ジョニー・ナッシュの "I Can See Clearly Now (B-5)" などのカバー曲を加えた全12曲収録。後にバンドスタイルの音楽に移行する2人だが、本作ではA・ギター2本だけの純粋なフォークスタイルの立ち位置で70年代初頭の郷愁誘う息の合ったハーモニーを聴かせてくれる。2作目ではバンドスタイルで再演しているオリジナルの表題曲 "In The Meantime (A-2)"、嗜好によるが軽やかなフォークスタイルの方が個人的には好みの仕上がり。"Early In The Morning" や "Oregon" など、リードVo をシェアすることなく2人のハーモニーを聴かせるのが本来のデュオの姿なら、間違いなく本作をフォークデュオと呼ぶべきだろう。

-- 「 Tom & Theresa 」、1975年に2作目 「
Carry Me Back 」。1978年、相方を変えた 「
Ten Broek & Theresa 」 名義で 「
Reasons 」 を発表、楽曲ごとにヴォーカルをシェアしたデュオ作とは呼びがたい女性上位の作品を残している。1980年、デュオを解消したのか 「
Jon Ten Broek 」「
Theresa Demarest 」 各々がソロ作品リリース。最初の相方の「
Tom Demarest 」 は、ギター教師を続けながら新たな相方と共に 「
Tom & Ellen Demarest 」 として音楽活動を続けている。それぞれパートナーは変わっても "I Belive In Music" 男と女に信じるものがある限り曲をつくり歌い続けていくのだろう。---