2011年03月19日

A LIVE!


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今回の地震で不幸にも被害を受けた数多くの方々へ、肉親や知人を亡くされた数多くの方々へ、心よりお見舞い申し上げます。

心の中に音楽の入る隙間ができるまで、しばし、更新をお休みします。
皆さん、生きてまたお会い日ができるまで、それまでお元気で!





posted by beck at 13:04| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月01日

信心歌


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マック・デイヴィスのヒット曲 "I Believe In Music" はレリジャス系のフォーキーたちが好んで採り上げる楽曲のひとつだが、オレゴンのクリスチャン系フォークデュオ 『 Tom & Theresa 』 もB面1曲目でカバーしている。宗教と音楽、男と女、信じるべきものが一つの楽曲に結びつくなら歌いたくなるのは極自然の帰結なのだろうか。-- オリジナル6曲、ジュディ・コリンズの "Song For Judith (A-1)"、キャッシュマン、ウェスト&ピスティリの "Richard & Me (A-4)"、ゴードン・ライトフットの "Early Morning Rain (A-4)"、ダニエル・ムーアの "Oregon (A-6)"、ジョニー・ナッシュの "I Can See Clearly Now (B-5)" などのカバー曲を加えた全12曲収録。後にバンドスタイルの音楽に移行する2人だが、本作ではA・ギター2本だけの純粋なフォークスタイルの立ち位置で70年代初頭の郷愁誘う息の合ったハーモニーを聴かせてくれる。2作目ではバンドスタイルで再演しているオリジナルの表題曲 "In The Meantime (A-2)"、嗜好によるが軽やかなフォークスタイルの方が個人的には好みの仕上がり。"Early In The Morning" や "Oregon" など、リードVo をシェアすることなく2人のハーモニーを聴かせるのが本来のデュオの姿なら、間違いなく本作をフォークデュオと呼ぶべきだろう。sb_475b.jpg-- 「 Tom & Theresa 」、1975年に2作目 「 Carry Me Back 」。1978年、相方を変えた 「 Ten Broek & Theresa 」 名義で 「 Reasons 」 を発表、楽曲ごとにヴォーカルをシェアしたデュオ作とは呼びがたい女性上位の作品を残している。1980年、デュオを解消したのか 「 Jon Ten Broek 」「 Theresa Demarest 」 各々がソロ作品リリース。最初の相方の「 Tom Demarest 」 は、ギター教師を続けながら新たな相方と共に 「 Tom & Ellen Demarest 」 として音楽活動を続けている。それぞれパートナーは変わっても "I Belive In Music" 男と女に信じるものがある限り曲をつくり歌い続けていくのだろう。---
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2011年02月23日

若葉の歌


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メイン州ルイストンにあるカトリック教会 「 St.Joseph's Church 」 に通っていた若者たちによるフォークグループ 「 St.Joseph's Folk Group 」 の'82年作。短い紹介文によると、リリース年から遡ること5年、音楽を愛する5・6人の若者達が結成し活動を重ねるごとにメンバーが増えていったようだ。所謂、大所帯のクワイアものだが、心地いいフォークロックのバンドサウンドにのせた清らかで瑞々しい歌声は今まで聴いてきた同種のものでは一番気に入っている。-- ノエル・ポール・ストゥーキー ( PP&M ) の "Wedding Song (A-4)" に、CCM系コンポーザー ( Tim Manion / Joni Byrn / Bob Dufford / John Forley S.J. / Kathy McGovarn ) 等のカバー曲だけ、全10曲収録。録音当時、ジャケットの集合写真にうつる若者たちは高校生ぐらいだろうか。風にざわめく若葉のように、母の温もりを求めて泣く赤子のように、活き活きとした生命の歌声。聴いているだけで、老いた細胞が目覚め活性化される気分にしてくれる。ヒーリング・ミュージック ( 環境音楽 ) には、人の心を癒し免疫効果を高める作用があるとされている。彼等の瑞々しい歌声にも "川のせせらぎ音" にも似た快適感を覚える "1/fゆらぎ" の波動があるのかも知れない。曲の長さも3分を超えるものが多く、クワイアものは敬遠気味としても多重に多重を重ねたヴォーカルと思えばフォークロック作品としても十分に楽しめる音楽だ。まだストーブの欠かせない寒い日が続いているが、彼等の歌声は大地の下で春を待ちわびる自然の息吹にも似た心癒されるサウンド・セラピー。-- 「 St.Joseph's Folk Group 」、録音当時は10代だったメンバーたちも、時は流れ40代を迎えているだろう今の世界。北アフリカ、中東、東アジア、ニュージーランド、心を痛める不快で不安な "ゆらぎ" が地球のそこかしこから響いてくる。---
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2011年02月16日

鈍行楽団


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ニューヨークのゴスペルフォークバンド 『 THE 10:15 』。クリスチャンバンドに定員がある訳でもないが6・7人編成というのが数多く見られる形態で、本バンドは女性2人を含む6人組。珍しいバンド名にアルバムタイトル、線路に佇むメンバーのジャケット写真から列車のタイムテ−ブルを意味すると思われるが、その数値には何か特別な意味があるのかも知れない。-- トラッド1曲にメンバーの「 Shawn Tracy 」 の手がけたオリジナル9曲、全10曲収録。スピードと快適さを求めた現代の高速鉄道とは違う、のんびり走る鈍行列車のような長閑なフォークを奏でている。、唯一のカバー曲 "Just A Closer Walk With Three (B-10) " はゴスペルソングのクラッシク " In The Garden " と同じく挙げればキリがないほど数多くのミュージシャン ( Willie Nelson / Joan Baez / Patsy Cline / Anne Murray / Natalie Cole / B.J Thomas / Cliff Richard / Ella Fitzgerald / Mahalia Jackson / Louis Armstrong / George Jones / Pat Boone / Oak Ridge Boys / Mickey Gilley / The Seekers / Five Blind Boys ) 等がカバーしている。そのジャンル違いでカントリーにもジャズにもソウルにもディキシーランドにもなる、聴き比べるのも一興だが本バンドは長閑なフォークサウンド。ゆったりとリズムを刻むA・ギターとバンジョーにのせて歌われる名曲は車輪と枕木が奏でるガッタンゴットン音のように身体に心地いい。全ての楽曲で主にリードvoをとっているのが 「 Ignatius Alexander 」 なる人物。どの楽曲も70年初頭の懐かしさと郷愁を誘う素朴なフォークだが、めまぐるしく時間が変遷していく今の時代こそ価値ある音楽に思えてくる。美しいコーラスに彩られた "Come To The Table Of The Lord (A-1)" の心地いい歌声は、「 そんなに急いで何処へゆく? 」 なんて歌いかけてくるよう。時代のスピードに置き忘れられた大切な人間の温もりが聴こえてくる。-- 「 THE 10:15 」、メンバーが一人少ない別作品を同じ年にリリースしている。コーラスハーモニー重視のクリスチャンバンドらしい作品だが、それは別の機会に。---
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2011年02月08日

探し人の歌


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"Ron Moore" 関連ものでは4作目 ( Paul Fleeman / James Isaac Elliott / Aleithia ) になるクリスチャン系フォーキー 『 Paul Johnson 』。ロン氏のプロデュース、数曲だけボーカル&ベースで録音にも参加している。ハーモニーをつけている3人の女性名も紹介しているが、リリース年や録音場所などの他の情報は記されていない。-- オリジナルはなく全てカバーものだけ、全12曲収録。エヴァリー・ブラザースのヒット曲 "Let It Be Me (A-1)"。ジェームス・テイラーの "Fire And Rain (A-2)"。定番のサイモン&ガーファンクル "Sound Of Silence (A-3)" に "Bridge Over Troubled Waters (B-5)"。ブレッドの "If (B-1)"。ヤングブラッズでお馴染み "Let's Get Together (B-2)"。レイ・スティーブンスの "Everything Is Beautiful (B-3)"。マック・デイヴィスの "In The Ghetto (B-4)"。カナダのバンド "Ocean" のヒット曲 "Put Your Hand In The Hand (B-6)"。レリジャス系のフォーキーには良くある選曲だが、耳に馴染みのあるヒット曲ばかりを採り上げている。ただ、オリジナルではないのにちゃんとポール氏の歌になっているところは本作の救いだろう。これは、バンドスタイルではなく12弦A・ギターの弾き語りということもあるし、オリジナルを忠実に再演していないことにもある。他の楽曲にも言えることだが、ブレッドの "If" にそれが良く現れている。ゆったりとしたテンポで歌われるヒット曲は、煌びやかさを脱ぎ捨てた素朴な味わい心地良さ。ギターの得意な人が好きな楽曲を自宅で爪弾きながら歌っている、そんな寛いだ時間の見える歌たちだ。-- モノクロ写真を手がけたのは 「 Dennis Fulton 」 という方。裏ジャケには倒木に腰掛けて聖書を読んでいるポール氏の姿。"What Are You Looking For ?" なんてタイトルがついているが、彼が探しているものは見つかったのだろうか。その答えは、聖書の中にあったのだろうか。世の中、探しものがあるから楽しいもの。見つからない不満があるから人生を続けられる。---
posted by beck at 10:52| Comment(0) | 音楽(US) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする